広告代理店とコンサルタント屋さん

今朝の日経新聞に

「オプト、船井総研と連携、ネット広告経営指導一体」

とありました。
オプトはネット広告代理店で、船井総研は経営コンサルタント屋
さんです。

■オプト
http://www.opt.ne.jp/
■船井総研
http://www.funaisoken.co.jp/
■日経ネット記事
http://www.nikkei.co.jp/news/tento/0070530AT2E2900L29052007.html

ネット広告がラジオ広告をぬいてから2年が経ちますが、だから
といってネット広告代理店が濡れ手に粟かというと実は厳しく、
ネット広告の総額は右方上がりでも苦戦しております。

カラクリは「大手広告代理店が儲けている」から。

広告費は一般消費者相手の市場と違い、市場規模を拡大させるの
は大口広告主です。

アドワーズやオーバーチュアという1クリック1円や9円から
広告を出せるネット広告が注目されています。

クリック単位という実績に応じて払うので費用対効果が高く、
少ない予算で始められるのが魅力です。

小さな商店が月に3万円の広告費を使うのは勇気がいります。
そこを頑張って投資します。

一方、巨大な広告キャンペーンとなると数十億規模のプロジェクト
となることがあります。

新聞の全面広告は一回だけで数千万円。
テレビ広告に、その撮影料、タレントへのギャラと考えれば
べらぼうです。

「つづきはWebで」

ネット広告費という費用項目は、出稿量が減っていた広告代理店
には福音でした。

SEOをやってキーワード広告を出して、サイトもユーザビリティ
に配慮しつつ、先進でクールで効果的なものをと3000万円。

小さな商店1000件分です。

こういう「打ち出の小槌」をもつのが、電波利権を抑えている
超巨大広告代理店様です。テレビ広告をするには彼らを通さなければ
なりませんから。

こうして新興IT企業が分け入りできた藪の獣道を、既得権益を
もったエスタブリッシュメントが軍用ジープ「ハマー」で踏み荒ら
していきます。

ネット広告費の総額が大きくなります。すると

「今やネット広告はラジオ(広告費)以上、
キャンペーンでWebははずせませんよ」

と、パチンコでいうところの確率変動突入です。

藪をかき分けていた新興企業は、ライバルの少ない市場で濡れ手
に粟を楽しんでいました。大手が手を出す前。

おごる平家は久しからず。
軒並み新興IT企業が苦戦しています。

オプトはネット広告代理店。
以前も指摘しましたが広告代理店のビジネスで大切なことは

「次の広告予算を奪い取ること」

で、クライアントの利益拡大ではありません。
関連性はありますがイコールではなく、無料プレゼントを仕掛け

「申し込みが多かった」

ならば、大成功です。その後、成約や購買につながるかまでの
責任は持てません。
だから壁紙プレゼントや、無料○○、アンケートに答えてなんと
かという「企画」が大好きです。

小さい企業が成り上がるには大口をつかむのが最短距離です。
大きくなってからともかく、起爆剤が必要なのです。グーグルの
躍進のきっかけは、検索エンジンがヤフーに採用されたから。

ところがネット広告代理店市場は超巨大広告代理店という恐竜の
参入で大口が食い荒らされています。

そこで中小企業だ。
しかし、一筋縄でいかないのが中小企業。
ある意味大企業は「権威」や「紹介」があれば、コロッとだまさ
れます。ましてネット広告なんてはした金はどうとでもなります。

ところが中小企業にとっては10万円だって業績を左右しかねな
いのです。
オプトにとっては喫緊の課題でも10万円で仕掛けられるキャン
ペーンで且つ、

「プレゼントキャンペーンで応募が沢山ありました」

で納得する中小企業は少ないのです。
で、それがどう儲けにつながるんだい? と。

船井総研はコンサルティング界の超巨星で、創業者の船井幸雄さ
んは最近、色んなものと交信されているような超越された方のよう
です。

一部に熱狂的な支持者のいるコンサルタントの総合商社ですが、
なぜか私のまわりには悪評ばかりが集まります。

ま、価値観は人それぞれ。
私の「普通の話し」を基準とした「アドバイス」のほうが好きな
方達だったからかも知れません。

記事に面白い記述を発見しました。

「船井総研にとっても弱点だったネット利用の販促手法を補い」

インターネット元年を95年とするなら、干支が一回りする
2007年に何を仰っているのでしょうか。

個人商店、零細企業だった楽天が赤坂の地上げ・・・もとい、
TBSの筆頭株主になれたのはネットを活用したからですし、
私がお手伝いしているマツブン刺繍の業績が絶好調なのも
ネット利用の販促によるものです。

マス広告と比較して信じられないぐらいの少ない予算で取り組め
るネット販促は中小企業にこそ「コンサルティング」するものです。

船井総研は中小企業が顧客層で、セミナーや講演会を開いて
各地で絶賛と感動嵐を巻き起こしているそうです。

はてさて船井総研は1970年3月創業。
私が同年12月の生まれですから、まさしく「生」を受けた
頃でほぼ同い年。

すると37年のキャリアの中で「大企業」になったところは
ないのかが気になります。
オフィシャルホームページの会社沿革にはありませんでした。

再度記事を注意深く見ると

「課題とする大企業の囲い込みが期待できる」

ともあります。課題・・・なんですね。

楽天とツタヤ。片や賃貸しで、片や又貸し。
類は友を呼びます。

広告代理店とコンサルタント屋さん。

儲けを生み出すことではなく効果があったことを喧伝し、
なぜか「経営」をコンサルティングしてるはずなのに、そこを
「独立」すると「コンサルタント」になるビジネス。

経営のエキスパートなら上場企業からでも引く手あまたでしょうに。

これも不思議なことに「元船井総研」というコンサルタントの
話しをあちらこちらで耳にします。

政治屋さんが子供を政治屋さんにするようなものでしょうか。

営利団体は自分たちが一番儲かるように立ち回るもの。
そしてこれは「当たり前」のこと。

ちなみにどちらも一部上場企業様でございます。

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