どんな特売をしても自分たちは1円も損しない仕組み

「盗人にも三分の理」

という諺が好きです。
盗人を許すと言うことではなく、理を認める側の寛容さが日本人
らしいなぁと。

問答無用ではなく一応は聞いてあげるし斟酌もする。
その上で名誉や言い分は尊重して厳罰に処す。

罪は罪ですが、そうなった事情や追い込んだ環境があり、それを
聞き活かすことを昔の日本人は知っていたのではないでしょうか。

日教組の先生が教えてくれなかった日本の歴史に触れるたびに

「おおらかな日本人」

が浮かんでくるのです。
地域差は激しいのですが、しかし当時の世界中を見渡すとそれでも
格差の少ない社会だったと。

・・・と、いう寛容さをもちたいものということで

「肉の魔術師ミートホープ田中」

の三分の理で注目したものがあります。

「スーパーの特売で4割引の冷凍食品が売っている理由を考えてくれ」

このマジシャン田中さんは特売品を出荷するためには原価を抑え
る必要があったと言いたかったのでしょう。

その後のウサギ肉、合鴨肉がでるにあたってくすんでしまいましたが、
しかしこれは事実です。

名だたる有名スーパーでは冷凍食品の割引フェアをして、それらが
さも「小売店の企業努力・お客様感謝」と売り出されますが、馬鹿を
いっちゃぁいけません。

大きい小売店になればなるほど

「どんな特売をしても自分たちは1円も損しない仕組み」

を構築しているのです。

日用品や生活家電の主導権は売り手=大規模小売店が持っています。
メーカーではありません。

すると「同じ様な商品なら自分の店に有利な方を売る」ようにな
ります。

A社は特売に「協力」し、B社は真っ当な商取引を求める。
大規模小売店がB社を選ぶことはプリティウーマンが誕生するよ
うな奇跡です。

映画やドラマはフィクションだから奇跡を作れます。

会社は規模が大きくなればなるほど上意下達と「データ」が
はびこるようになり、目に見えにくいA社とB社の違いより、

「協力価格」

を提示するA社が会議で評価されるようになります。

つまり「商品の良さ」とは、

「商品(が自社に与える利益)の良さ」

ということです。

もちろん、ミートホープ社を弁護するつもりはありません。
が、しかし、こういった「背景」にメスを入れない限り、これら
は手を変え品を変えでなくなることはありません。

某陳列方法がユニークな激安の殿堂は棚卸しを納品業者にやらせ
ていたといいます。

殿堂の言い分は置いておきますがこれによって、殿堂は在庫管理
の人件費を浮かすことができます。

家電量販店の数社では「メーカーからの派遣販売員」が常態化し
ていると指摘されています。

これもモチロン、人件費が儲かりますし、それを「活かせ」ば
人件費分の値引きが可能です。

携帯電話の端末料金が値引きできるのは、利用料から搾取されて
いるというのは昨今話題となっていますが、0円ケータイの価格
補填だけではなく、

「街の携帯電話屋のチラシ代まで通話料から支払われている」

のです。
ドコモショップやauショップと懇意にしていると「販促費」と
してお金がばらまかれています。本当にばらまかれて。
その他にキックバックや0円携帯の補填がされています。

スーパーのチラシには「協賛金」が常態化しています。

食品メーカーが自社商品を掲載して貰う変わりにずばり現金で
援助したり

「現物支給」

したりします。
現物支給とは10ケースの仕入れに対して、20ケース納品する
というやり方です。

また両者の組み合わせで「特価商品」が生まれたりもします。

究極の安売りは0円ですが、タダより高い物はないと昭和の頃よ
り言われてきました。

そのつけはまわり廻って社会全体で負うこととなります。

ワーキングプアを格差の象徴と仕立て上げようという動きが
ありますが、正社員を雇わないのはコストを抑えるためです。

また、大企業のボーナスが増えても中小企業がいまだに苦しいの
は「調達コストの抑制」という名前で下請け叩きをしているからです。

そして大企業自身も「ボーナスという一時金」で報いても、
基本給のアップに消極的なのは人的コストの抑制が目的です。

一方。

ちょっと高額な商品やサービスがでると「もっと安く」と安いこ
とが正しいかのような論調がはびこっています。

激安の店、食べ放題、特売のスーパー。

現金問屋という仕組みは昔からあり、倒産在庫や換金目的などで
安く売買されていました。

ところが最近の「特売」は、販売力のある大規模店(これは店舗
でなくても通販も含めて)が仕組みとして作っています。

「フェアトレードコーヒー」をご存じでしょうか。

フェアトレードとは、発展途上国で作られた作物や製品を適正な
価格で取引するものです。

途上国の生産者は立場が弱いことが多く、安い労働力で搾取され、
安い製品や農産物として出荷されるという負のスパイラルを断ち切
ろうと、途上国の商品も「真っ当な価格」で取り引きしようという
取り組みで、コーヒーもその一品目となっています。

今、国内では大企業という貴族階級が、中小零細という生産階層
を相手に不公平な取引を強制しています。

ミートホープ=マジシャン=田中。

彼はこの不公正な取引を社会に告発するために鶏肉に水につけ、
牛肉を使わない牛肉コロッケを発明し、正体不明の肉の商品化を
志した・・・ワケはないですね。

ただ、彼のところの商品を買っていた食品大手に、その大手の
商品を仕入れていた小売り大企業は、その商品の魅力をなんと
語るんでしょうか。

と、芋蔓式に追いかけるとメディアのお得意さまにぶつかり、

「訴追不可」

となります。
安かろう悪かろうとはいいません。
しかし、安いものにはそれなりの理由があるんですがね。

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