久しぶりに「興奮」する本に出会いました。
どこから紹介して良いのやら悩みます。
まず、凡庸ですがタイトルについて。
なるほどです。「適応」というのは望んでなるよりの、その状態で
不都合な場合に起こるという方が確かにしっくり来ます。
なぜなら、人は・・・種は存在を許された環境がもっとも快適だか
らです。
平たい言葉で綴るなら
「熱帯魚は熱帯が好き」
ということ。
だから、人は「食べられる=捕食される」危険から逃れる過程の
中から進化を得たという説を展開します。
いわゆる原始人というと「ギャートルズ」のような、「狩る人」の
イメージがありますが、作中でもマンモスに追いかけられるシーンが
あるように、人は「弱者」だったというのです。
牙も爪もないひ弱な人類。
スプラッターが苦手で想像力豊かな方が間違っても読まないように
軽く触れておきますが、
「人類が捕食される様子」
がたびたび登場します。
ある時代ではワシや鷹に、現代でもワニや蛇に。
「狩る人」という勇猛なイメージはキリスト教以降の「原罪」と、
覇権主義によって刻みつけられたストーリーだという話にもなるほど。
そして本旨からはずれるのかも知れませんが、心を引かれた仮説が
「古来、女の方が偉かった」
というものと、
「男は餌食。その名の通り」
の二つです。
どちらも「種の継続」の確率論から見れば正しい選択=仮説ではない
かと興奮しました。
小学校の時に化石やダーウィンにときめいた人にお薦めの一冊です。
■ヒトは食べられて進化した
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