仕入れ値が安くなれば製品価格も下がるのが自明

大学教授という肩書きを持ち、テレビ・ラジオをはしごし
シンポジウムや講演会で全国を股にかける「識者」の

「時事放言」

をみるにつけ、インプットに加えて「情報を咀嚼する」大切さに
思いを馳せます。

入った情報をそのまま語るのは論外ですし、お上の反対をすれば
知識層という20世紀の価値観に、とにかく不安を煽ればいいとい
うベクトルは夏場の稲川淳二さんより悪質です。

特にこの「世界同時株安」を煽る萩原博子女史。

以前、白石真澄氏を「芸人」の箱にいれたように、萩原さんは
経済評論家ではなく経済界の稲川淳二さんと括ることを今朝、
決定しました。

「こわいよ、こわいよ」

と繰り返すだけで・・・稲川さんに失礼でしょうか。
彼女は繰り返します。

「株価が下がれば生活にも影響が出る」

彼女は今年の初夏頃、こういっていました。

「原油価格高騰で値上げの秋がやってくる」

萩原さんだけを責めるのはフェアではないので、ここからは
テレビや新聞、ラジオなどの全ての大メディアにしたり顔で登場
する「識者」を対象とします。

日本の株価下落についてこう説明します。

「円高によって輸出企業の業績が落ち込むから」

これは確かにその通り。但し、この点だけでみればの話しで、
フェアな議論ではありません。円高により内需拡大を掘り起こし
たのはユニクロであり100円ショップ、またマクドナルド
や吉野家といった「デフレ産業」が伸びました。

日本の会社員はトヨタやソニーの社員ばかりではありません。
もちろん、デフレ産業の場合「流通金額」が少なく、自動車や
大型家電の比ではありませんが、塵も積もれば山となりますし
悲観するばかりではないと言うことです。これについては
また後ほど掘り下げます。

そして円高を懸念する「識者」と称する彼らはこの夏までこう
いっていたことを覚えているでしょうか。

「円の実力が下がってきている」

対ユーロに対して、対ウォン、対元、対クローネ。
対ドルで見ると円高基調でも世界中の通貨に対して「円」の
価値が相対的に下がっており、これが世界の日本への評価だと
「自虐的解説」をしていたのです。

対ユーロが160円台になり悲観していました。
さて今朝方はちょっとユーロが戻したのですが120円台。
そして日本の評価はというと相変わらずの悲観論です。

先ほどの「輸出企業が」と呟きます。

確かに実体経済に於いての「買い控え」は起こり、そこから
売れにくい環境は生まれますが、「グローバル」企業は
対ユーロ、対ドルでのクロス取引をしており、どちらかの通貨
が強くなれば、現地法人を通じて反対の通貨で決済をするので
一方的な業績への影響はありません。これは「輸出依存」と
非難されつづけた日本企業が過去から学んだ智慧です。

円が低く評価されれば悲観して、高くなっても悲観する。
物書きの端くれにいるものとしてあまり使わない方が良い
言葉ですが語彙の少なさ故にお許しください。いいます。

「どないやねん」

原油に関してもそうです。
この春の民主党による原油テロ(的騒乱)により、下がって
上がり、それ以降、調子に乗ったガソリン元売り各社が値上げ
競争に走ったガソリン価格は春先に戻りました。

「こんなに上がっては庶民の生活は成り立たない」

とし、

「政府による備蓄分の放出や大型減税などの対策が必要」

と苦言を呈していたのが殆どの「識者」です。
例えば海外のメディアでは

「実需は40ドル前後、投機がらみで60ドルぐらいで推移
するのでは」

という「識者」のコメントを見ることもありましたが、
日本の誌面から探すのは困難で、テレビでは皆無でした。

はい、ガソリン・原油価格が下がりなんといっているで
しょうか。

「原油が下がっても景気後退から需要が伸びない」

・・・少なくとも庶民の生活は助かりますし、北国では
生死に関わる「灯油価格」も下落基調で、これはグッドニュース
です。

ひと言で表すなら異常事態です。世界経済ではなく
日本の大メディアがです。

グローバル経済とかまびすしい昨今ですので、私もその
土俵に上がり、今の円高がもたらす日本経済を解説します。
それも小学生が分かるレベルで。

1:円高になる
2:小麦もバナナも原油も鉄鉱石も「買い負ける」ことが
なくなるので遠慮無く買いあさります
3:「仕入れ値」が安くなれば製品価格も下がるのが自明
4:輸出品を安く出荷できる

ということです。日本人の人件費や土地代などのコスト
から「無理だ」というのでしたら、このシナリオの続きを
お見せしましょう。識者の好きな悲観論を一部採用します。

5:割高な日本製品を輸出しても売れない
6:日本企業の業績悪化懸念から株が売られる
7:「円」の実力も連動して不安視され売られる
8:未曾有の不況がやってくる

でしょうか? ここからが「グローバル」です。

9:不況から売られ安くなった「円」により輸出が復活

です。もう少し、シンプルに説明すれば

「円高の内に仕入れた資材で製品を作り、円安になったら
出荷すればいい」

ということです。そんな単純ではないという反対論も
あるでしょうが、グローバルで見れば下がったものは上がり
上がりすぎれば下がるということなのです。もちろん、
「実力」が伴っていなければ話しになりませんが、私は
日本企業は金融関係を除いて、世界に互する能力も実力も
あると見ています。

例えば「携帯電話」の国内の特殊事情を独自の生態系を
もつガラパゴス島に準えて「ガラパゴス化」と自虐揶揄を
しますが、これなど論外。

「ユニークとはオンリーワン」

で、問題はガラパゴス島で進化したゾウガメの価値を
どう認めさせ、どれだけ高く売るかの「マーケティング」
の力不足と開発・技術力を混同しているのです。

話を戻せば、識者の悲観論は自作自演の稲川淳二的
恐怖茶話に過ぎず、科学的でも経済学的でもないものばかり
だということです。

そして私の見解はこうです。

「空前絶後、千載一遇のラストチャンス」

悲観論のエセインテリと一線を画しますが、彼らの主張と
重なる点がひとつだけあります。それは

「日本の将来」

についてです。少子高齢化、産業の空洞化、技術の散逸に
技術が継承されないこと、さらには

「くそ日教組」

の革命活動の成果により

「権利は我が手に! 義務・・・って何語っすか?」

となった日本人に明るい材料は見つかりません。温暖化は
懸念していませんが、食物自給率の低下・・・というか農政
のお粗末さに楽観視する材料がないのです。

だから、こそ、です。
今の円高は日本に吹いた21世紀の神風かも知れません。

「高い円を利用して成長力の見込める海外の企業を買う」

この手法も投資先の「海外」の国情と、日本との関係で
盤石でも永遠の方法でもありませんが、日本が仮に没落した
としても一定の「パラシュート効果」をもたらしてくれます。

ピンチはチャンスです。経験則からも。

ただ、今の日本を取り巻く「グローバル」な環境では

「ピンチの前のチャンス」

・・・いう「識者」がいないことには「悲観的」になります。
 

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