グーグルは既存のビジネスを破壊するとジャーナリストの佐々木俊尚
さんの著書にありました。まぁグーグルが破壊できるビジネスなど
たかが知れているということを拙著で指摘しました。
しかし、私は今ある恐怖に襲われています。
「グーグルは文化そのものを破壊するのではないか」
産経新聞の取材に坂本龍一さんはこう答えています。
「もともと昔は(音楽家は)食えなかったでしょ」
やり取りを要約すれば
「もともと金持ちのパトロンに支えられていた。
この100年が珍しい時代じゃないのか」
となります。これはCDセールスの落ち込みに対して答えたもので
すが、私の恐怖はグーグルの目指す「すべて情報にインデックスを」
が実現されたときに、著作権は崩壊し、出版社、レコード会社の
ビジネスが破綻するのではないかということです。
出版社やレコード会社を搾取するビジネスモデルととるか
「作家やアーティストを育てる機関」
とみるかでこの評価は分かれますが、すべてをネットワーク上に
のせ、誰もがアクセスできるようになる。これは一見、素晴らしい
かのように映りますが、しかるに創り出す人への対価はそこに
見積もられおらず、今のご時世「パトロン」への回帰は望むのは
現実的ではなく、と、いうよりグーグルの野望はそのパトロンが
出資して創られたものまで強奪しようと目論んでいる節があります。
これに異を唱える物知りがいるかもしれません。
「グーグルは著作者に金を払うといっている」
もちろん、但し、その著作者とは作家だけでしょうか、それとも
出版社や編集者まで含めるのでしょうか。「本」とは著作者だけは
でき・・・同人誌などをのぞけば・・・ません。
それも支払うといってもグーグルはしっかりピンハネをします。
この問題、近日とりあげる「中国著作権強奪法」ともあわせて
「国難」だったりするのですが政治は無関心で溜息が。
■心得其の121
「グーグル図書館の和解とピンハネ。知財立国を目指す国民の著者として」
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2009/05/27/5671