子供手当支給の先にあるもの

 忙しい歳末につきいきなり本題。

「子供手当」

財源、云々はもちろん「景気回復」しない場合のリスクについて。

本年最後と言うこともあり、景気の良い話しをしたいのですが、
これから親戚や友人と会う方も多いかと思うので、差し迫ったリスク
について「提起」しますので、箸休め的な話のネタにでもしていただ
ければ幸いです。

税源がないのは明らかです。
これは政府の話し。そして早晩、消費税の税率アップの議論が
起こることでしょう。遅くとも参院選のあとには俎上に登ること
でしょう。

で、そちらの議論はテレビに登場される「識者」に任せて私が
懸念するのは

「家族手当の廃止」

です。
数年前の不景気に大企業などではこういった議論が起こりました。

「同じ能力なのに家族がいるだけで給料を多く貰うのはおかしい」

奥さんや子供がいるとつく「手当」で、1万円や五千円、会社に
よっては数千円と「気持ち」程度ですが、日本の家父長的会社経営
において、従業員とその家族の「面倒」をみようと支払われていた
ものです。

こうした手当により「基本給」を抑えるという経営者の目論見も
ありましたが、中小企業でも支払っているところは少なくありません。

「情」で考えれば悪いことではありません。

しかし、大企業、とりわけ外資系企業が世間の注目を浴びはじめた
ころから「能力に対して支払われるもの」という論調が支配的となり
一部廃止する企業も多く耳にしました。

「理屈」から見れば当然でもあります。

では、中小では・・・というと、一緒に働く仲間の家族構成まで
知り、互いの懐事情もある程度わかる人間関係から、ここの抜本的
見直しは難しいと、とある中小企業経営者から聞いたことがあります。

しかし、今度は「公的子供手当」が支給されます。

そして、中小企業に景気回復はそよ風ほども吹いてきません。

すると、どうなるか?

あとは「経営判断」です。

二人の35才の従業員がいます。

Aさんは結婚するも離婚し、いまは年老いた両親を自分一人の
給料で支えています。両親は自営業で、社会保険を納付し忘れて
おり未納期間が長く「無年金」で、生活は楽ではありませんが、
苦労を厭わず、陰ひなたなく、時には早朝出社も日曜出勤も
にこやかに対応します。

一方のBさんは25才で結婚し、1年おきに子供が生まれ
この秋、5人の子持ちとなりました。子育てはやはり大変で、
幼い子供が熱を出すとBさんが運転し、病院に送り、あるいは
保育園の送り迎えをしなければなりません。公立学校は土日も
休みで、最近の学校行事はやたらに多く、さらに保護者を狩り
出すイベントも少なくありません。Bさんは月2回の土曜日休日
を子供のスケジュールに合わせてやりくりしますが、それが
会社の都合と逢わないこともしばしばあります。

この会社では奥さんに1万円、第1子に5千円、第2子以降は
ひとりにつき3千円を支給しています。

支給額で見た時、Bさんは毎月2万7千円多く受けっています。

ご多分に漏れず業績は芳しくありません。

さて、あなたが「経営者」だとしてどうするでしょうか。

Aさんのご両親が「無年金」であるのは自己責任ですが、
同列に語れば「子沢山」も自己責任です。むろん、少子化対策
として政府が子育てを支援することを否定するものではありま
せん。

しかし、1億2千万人の日本国民はともかく、十数人の
従業員の生活を背負っている「経営者」としてどう判断する
でしょうか。

そして来夏、民主党+連立与党が過半数を握れば消費税の
増税議論はより鮮明となることでしょう。いや、なければ、
子育ての先にまつこの国の未来は破綻しかありません。

経営者も自分の生活があり、未来を夢見る権利はあるはずです。

すると「家族手当」は・・・いや、給与原資は、いま無理して
働いてくれる社員に手厚くしたいと・・・なぜなら一方には
国が面倒を見てくれる制度ができたのだから・・・。

こう考える経営者を責めることが私にはできません。

年の最後に暗い話題となりましたが、この言葉を今年の最後に
捧げようと思います。

「タダより高いものはない」

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