原発の再稼働に反対しますか? に答える民意

脱原発の活動家たちの大量動員と、物見遊山が相まって代々木公
園に7万人の人が集まりました。これは凄いこと。動員が主導して
も、昨今は各左翼勢力も組織率が低下しているなかで、一般市民を
巻き込めたという点において「市民活動」という看板が輝きました。

ところがどうも水増しはやめられず、その前に「1」を書き加え
て叫ぶは

「17万人」

です。で、またネットで検証しようかと思えば、既になされてい
たので車輪の再発明は今回はしません。

■原宿・表参道.jp

反原発集会で代々木に17万集合!が物理的に可能なのか検証したら一人あたり0.44m2しかなくて無理だった件

6〜10万人が限界という結論でした。

そしてこの呼びかけは当初「10万人の」とあったので、それを
上回ったと喧伝したのでしょうが、なんでも「1000万人」を
目指しているそうで、早晩実現することでしょう。もちろん

「主催者発表」

で。

坂本龍一氏が壇上に上がりスピーチします。

「たかが電気のために、なぜ命を危険にさらさなければならないのか。
お金よりも命が大事だ」

電気とお金、そして命が錯乱した文章に目眩がします。
そしてその「たかが電気」で動く「iPhone(iPod Touchかもしれま
せんが)」をカンペ代わりにしているところに学生運動崩れの卑怯者
ぶりが集約されています。

坂本龍一はいうかもしれません。エコで発電した電気だから。

お金に色がないように、電気にも色がついていません。

仮に孫正義さんが主導するメガソーラーから買い取った電気だと
として、中央日報によれば孫さんの会社は、韓国の財閥企業のひとつ
ハンファソーラーワンから太陽電池モジュールを購入しています。

各家庭から集めた「太陽光発電促進付加金」が韓国企業に流れる
構図は、まさしくお金に色がついていない事例で、仮にこの理由を
単価の安さという経済合理性に求めるなら、そこから「電気代」を
無視することではきず韓国は原発大国です。するとそのモジュール
の生産に電気が使われており、つまりは原子力により実現したもの

「脱原発とはなんぞや」

という素朴な疑問が残ります。これへの回答は至極シンプル。

「自分のことしか考えていない」

菅直人や仙石由人と同じです。もう少し、言葉を重ねれば、
自分の分かる範囲を世界の全てと信じて疑わない愚かさが、学生
運動崩れに良く見かける特徴です。

脱原発は良いでしょう。わたしもベクトルだけなら賛成です。
では、それを誰がやるのでしょうか。最低でも1万年は管理
しなければならない核のゴミを解決する術を人類はまだもってい
ません。

仮に廃炉にできたとして、そのまま放置すれば鉄は錆び、
コンクリは劣化します。祈り続けたからと言って放射能の半減期
が早まるという科学的データはまだ検証されていません。

脱原発により一時的に(長期的に代替エネルギーが開発された
と妄想しても)地球温暖化ガスの増加は避けられず、坂本龍一は

「人類は低炭素社会に移行すべきだと思っています」

とも語っています。これは震災前の発言で状況が変わったと
するなら、まずは過去の発言を「総括」してから、次に映るのが
責任ある大人の態度・・・のはずですが、学生運動崩れの基本
思考は自己中心的な

「今は今」

なので、つける薬が見つかりません。つまり、過去にどんな
発言をしていても、新しい事実が見つかれば考え方が変わるのは
仕方がなく、そのときそのときを真剣に生きていればそれで良い
・・・と、これを自分勝手というのです。

学生時代に未来も考えず、性欲を愛と錯覚し、結婚し子をなし
しかし、それは社会人になった自分の認める世界ではなく離婚し、
新しい世界での人生の伴侶を見つけ、新しい命の誕生に眼を細め
るも、単身赴任したその先で、新しいパートナーと運命的に出会っ
たのだから仕方がない。だって運命だもん。

誰とは言いませんが、その時々に誠実であることは大切ですが、
菅直人も坂本龍一も

「その時々だけに誠実」

にみえて仕方がないのです。そして私の中の価値観でこれは
大人の所作ではありません。だから、「たかが電気」といいなが
らデジタル機器をカンペにできるのです。

すいません、いつものことですが前置きが長くなりました。

この脱原発集会の主催者や参加者は

「私たちの声が届いていない」

と口にします。それは自分たちの希望通りにならないときの
決まり文句だろ言うという突っ込みは脇に置き、では私たちの
声というのがそんなに正しいのかというのが今回の主題です。

先日のNHK「日曜討論」に宇野常寛さんという「批評家」が
出演していました。わたしのなかの理解で彼はアニメやサブカルに
一過言を持っている人に過ぎず、この日の主題は「政治」で
何を語るのかと、ザッピングしてたまたま捉えた主張に耳を
傾けてみてガッカリ。

「現在の選挙間隔では民意を汲み上げるのが遅い。
ネットなどを使い迅速な意見集約の場が必要(筆者要約)」

これを「民主主義の成熟」と絡めて語るに思わず侮蔑用語が
口をついてでました。それは日教組教育の呪縛なのかも知れま
せん。

民主主義が成熟した先に待つのは文明の破綻だからです。

それでは宇野常寛説を採用し、先の脱原発派の唱えるように
国民の声がすぐに国政に反映される「ネット投票」を活用した
としましょう。技術的には今でもすぐに可能です。

それでは問います。

Q:原発の再稼働に反対しますか?

いまならYesが多いとして次に続けます。

Q:原発は廃炉にした方がよいですか?

これもまたYes。が多いでしょうか。それでは

Q:廃炉後の1万年以上の管理期間が必要とされていますが、
その管理団体はどこが適切で、その費用は誰が負担す
べきでしょうか。

おそらく団体は国でしょう。すると費用も国民ということ
までは「民意」も理解できることでしょう。

Q:廃炉管理費用分の増税は理解できますか?

数字が示されていなければ、Yesとなるでしょうが、
具体的な数字が示されると「民意」がブレ始めるのは、
東電の値上げや増税からも明らかです。そもそも財源が
怪しい「子供手当」に賛成したのも「民意」です。

Q:原子力は安全保障上重要な役割を果たしていますが、
それでも放棄した方がよい技術でしょうか。

本稿読者はともかく、一般的な日本人なら原子力は
いらないと答えることでしょう。

Q:我が国はロシア、中国、北朝鮮と核兵器やそれに準じる
兵器を持った国と国境を接し、また領土問題、拉致問題
を抱えていますが、彼らが武力に訴えて日本を侵略して
きたときにどう対処しますか。

たぶん、日教組教育にどっぷりつかっている人は

「そんなことはおきない」

と一笑に伏すことでしょう。脳内でお花畑が咲いている人は
幸せです。

Q:先ほど、中国が尖閣諸島に上陸しました。阻止すべきですか。

いまならYes。毅然とした態度でとなるでしょう。

Q:それでは奪還には自衛隊がよいでしょうか。海上保安庁が
適切でしょうか。

議論が分かれることでしょうが、テレビ朝日とNHKが
自衛隊を動かさないために論陣をはり、海上保安庁が有利なると
わたしは見ています。左翼は自衛隊が、我が国を守ろうとする
すべての存在を嫌います。

Q:残念ながら海上保安庁の職員数名が射殺され、残りは「不法
入国者」として中国に拘束されました。それでも実力行使に
よる奪還を継続しますか。それとも「外交努力」が望ましい
と考えますか。

・・・いちもにもなく「外交努力」に傾くのが「民意」です。
もちろん「マスゴミ」の煽り方次第ではありますが。

すべては仮説の話しで、筆者の思いこみかも知れません。
しかし、脱原発ひとつとってもエネルギー問題はもちろん、
国防、安全保障、科学技術、産業振興といった高度な専門知識を
前提とした複数の視点からの議論が必要で、チラシをみるだけの
ために新聞を取っている家庭の主婦に正しい判断がくだせるとは
わたしには信じられません。あるいはスマホのソーシャルゲームに
興じて、病気の我が子を見殺しにする主婦が下す決断も民意です。

「民意」を信じ込むということは、家庭の主婦の感覚と、ニート
の諦観と、専門家の意見を同じ一票で割り算するということです。

そして民意がルーピー鳩山を生み出したのです。
ちなみに「ヒトラー」も民意により選ばれたひとりです。

民意や国民の声。これが必ず正しいとは、タチの悪い洗脳です。
ましてや民主主義とは妥協の産物に過ぎません。

ちかごろ市民活動家だけでなく、批評家も政治屋も、ときには
政治学者まで「民意」を第一、揺るぎない真実のように語りますが
それは「カルト」です。少なくとも批評家ぐらいは、議論の土台が
正しいのかとという批判精神を身につけて欲しいものです。

人がかならず正しい判断を下すとは限らないのは、自分の歩んで
きた道を見れば明らかです。にもかかわらず「民意」を最上位に
おき、それを正しいと叫ぶなど、どれだけ「傲慢」なのでしょう。

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