小林よしのりに見つけた放射脳ジイサンの正体

 STAP細胞を発見した小保方晴子博士。こう表記するのが世界標準。あるいは「学者」でしょうか。ただ、日本において「学者」の規定は曖昧で、古市憲寿のような学生でも「学者」と形容されていますが、日本のアカデミズムの程度を自虐するようなので、やめて欲しいものです。

 あるいは古市憲寿においての「学者」という名乗りが、「サンプラザ中野くん」における「くん」や、「デーモン閣下」の「閣下」のような芸名の一部ならば、そう明記して欲しいものです。

 極力目に触れないようにしているのですが、歯医者でうっかり開いた「anan」で、作家の朝井リョウと企画ものの連載をしていたのを発見し、彼が人気作家、タレントと名乗っていれば、ここまで不愉快になることもないのになぁとつぶやくのですが、ある日ブログを書いていたとき、彼のやらかした事件の確認に、ネットで名前を検索すると

「他の人はこちらも検索」

 とグーグルのお節介に表示される名前が

荻上チキ
宇野常寛
津田大介

 とあるので、あぁ、どちらにしろ、あわないのでしょう。わたしは左翼が嫌いです。折伏しようとは思いませんが、日本の左翼勢力の大半が、進駐軍の「愚民化」と、日教組教育による「赤化」のハーフ&ハーフで、背骨の通っていない中途半端さに好感が持てず、ひとことでいえば「嫌い」となり、これは「ネトウヨ(ネット右翼)」にも通じます。

 小保方晴子博士を日本のメディアは

「小保方晴子 研究ユニットリーダー」

 と紹介します。

 研究ユニットリーダーとは、所属する「理化学研究所」において通用する名称に過ぎません。研究者個人より、どこに所属しているかが優先されるのは、とても日本的ではあります。しかし、それだけでしょうか。

 研究機関や所属先は重要な情報ですが「研究ユニットリーダー」とは、満帆商事における「庶務二課の主任」と同じです。肩書きの軽重は正反対ですが、古市憲寿を学者と記すのと同根で、学問や研究への敬意が薄い理由は

「俺たちが一番偉い」

 というマスコミの傲慢を見つけます。だから学生を学者と呼び、博士を「リケジョ」と女学生のように扱うのです。

 こうした傲慢さは、「言論の自由」という権利の拡大解釈からくるもので、権利の拡大解釈は労働争議にも通じる赤化の特徴で、謙虚さの含有量が少ない報道にも、日教組教育の影を見つけます。

 もっとも小保方博士なら、「どちらでも♪」と軽く流すような気もしますが。

 そのSTAP細胞。単純に言うと細胞の「初期化」で、語弊を怖れずに言うなら

「いつでもやり直せるよ」

 と、ドロップアウトした学生に投げかけるエールのようですが、リセットするその条件が「ストレス」というのがとても面白いというか、人間の真実を照らすようで「神は細部に宿る」のかと唸ります。

 昨日の建国記念日。いつもように門扉の脇に日の丸を掲揚し、テレビニュースを見ていると、

「東日本大震災からちょうど2年11ヶ月」

 と、どこが「ちょうど」なのか分からないアナウンサーの言葉に戸惑いながらも、「放射脳」に思いを馳せます。ついでながら、この場合は

「東日本大震災から3年まで、のこり1ヶ月を切りました」

 のほうが切迫感がでます。どうせ、進まぬ復興、被災者救済と暗いニュースを続けるのですから。

 さて「放射脳」とは、福島第一原発事故以降、過度に放射線を怖れ原発を否定し、虚言を拡散することを正義と思い込む心理状態を指し、初期症状は心身症レベルで「お大事に」とお見舞いの言葉を用意するほどの可愛げさがありますが、重症化すると「カルト宗教」になる現代の奇病です。

 無知な若者が罹患するのは、まだ分かります。オウム真理教に多くの若者が騙されたのと同じです。わたしは30過ぎたら、立派なオジサンと自覚して、そのように生きてきましたが、先日、都知事選に出馬した家入一真(35才)は、みずからを「若者」の側に位置づけていたので、最近は精神年齢の成熟が遅れているようで、山本太郎や彼のシンパはこちらに属します。

 なにより不思議だったのは、団塊の世代と呼ばれる、不惑を遙かに越えた立派なオジサン、いや、オジイサン達が放射脳に罹患していることです。最たる例は小泉純一郎や細川護煕です。

 単なるバカと片付けることも可能ですし、そのほうがスッキリするという意見もあるのでしょうが、放射脳ジイサンが増えた謎を解く鍵は「STAP細胞」と「建国記念日」でした。

“なにが建国に際し、美しい国を思えだよ。非科学的な建国記念日を・・・”

 東京電力が昨年の7月に、福島第一原発の観測用の井戸から、500万ベクレルのストロンチウム90が検出されたことを、「隠していた」と報じる時事通信のニュースへの投稿された、ミクシィの「つぶやき」です。

 ・・・で省略したのは、東電は政府の意を受けてデータを発表しなかったという陰謀の指摘ですが、「科学的」な論拠がないので省きます。

 東電の隠蔽体質に言及する気持ちは分かりますが、イコール政府へと転嫁するのは非科学的というか、ワイドショー的な憶測に過ぎません。

 ちなみに「時事通信社」は、大勢が判明した東京都知事選の投票直後に

“「脱原発」に一定の支持=電力業界、再稼働への影響注視-都知事選”
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2014020900208

 と題した記事を配信し、その冒頭で、

“東京都知事選で「即時原発ゼロ」を公約に掲げた宇都宮健児前日弁連会長と細川護熙元首相は、舛添要一元厚生労働相に敗れたものの、一定の支持を集めた。都民の間で、原発依存への否定的な意見が根強いことが示された格好だ。”

 と非科学的な、脱原発を煽っているので、特定の思想に沿った報道姿勢であることは明らかです。

 ちなみに記事では、安倍首相の「いくぜ! 原発」発言を紹介したのちに、再稼働には原発立地自治体の理解が必要で、困難かも知れないと再び議論を誘導します。アジテーションです。

 イタチの最後っ屁というか屁理屈というか、TBSの「ニュース23」で岸井成格も、宇都宮・細川の得票数をもちだし同じような主張をしていましたが、両候補者の合算値でもねずみ男・・・もとい、都知事閣下となられた舛添要一氏に「多数決」で負けていることを認めはしません。

 結局、自分の望む結果にならなければ、一千万都民の「民意」をもってしても、それに従わないのですから独裁者か幼児です。あるいは全体主義を熱望するファシストです。どのちみ、東京都知事に原発をどうこうする力はないのですがね。

 先の「つぶやき」に話を戻します。

 建国に際して云々は、安倍首相の「建国記念日」に寄せて発したメッセージをあげつらっているのでしょうが、どの国にもその成り立ちに伝説を持っているもので、古代ローマがロムルス・レムルスの双子により建国され、そのパパは軍神マルスとなっており、だから神ってなんだよと突っ込む欧州人はおらず、ローマの系譜に連なることを自認する国では丸ごと信じるかはともかく、知識人なら常識として受け入れている伝説です。

 隣の朝鮮半島でも「檀君神話」があり、クマから人へとダーウィンもびっくりの進化を果たしたという伝説があり、その親分である中国も「三皇五帝」という神話を持ちます。

 いちいち挙げれば切りが無く、民族の神話を持たないのは人造国家である米国ぐらいですが、彼らはそれぞれが個人的に信じる「神」のものがたりをもっています。

 だから「建国記念日」を非科学的と切り捨てる発想に、行き当たる結論は、唯物史観に支配された「ソヴィエト」です。

 ハタと気がつきます。

 放射脳=左翼だと。

 各種労働団体や革マル派などの左翼団体と、脱原発が重なるのは利益の一致ではなく、同じイデオロギーを母胎とするからだったのです。たびたび似ていると指摘してきましたが、「同じ」だったと気がつき合点がいきます。

 だから保守っぽい発言をしていたはずの学者が、右翼的に威勢良く中韓を批判していた論客が、放射脳に罹患して極左へ走るのは自然な流れだったのです。

 引き金は、東日本大震災。

 押し寄せる津波、壊滅した都市、都心沿岸部で炎上するコンビナート、足立区からは東武伊勢崎線の沿線にあった民家の火事がヘリコプターで中継され、そして福島第一原発の水蒸気爆発の映像を安全圏から鑑賞したストレスが、引き金となりSTAP細胞よろしく左翼に先祖返りしたのが、放射脳ジイサンたちです。

 具体例を挙げれば、保守的な発言もちらちら見えた内田樹や、伊東四朗とのラジオ番組では「日本」も語っていた吉田照美とかで、その具現化されたオブジェが「小林よしのり」氏です。

 内田樹氏は学生運動に身を投じ、革マル派の親友を持ちながら、ブームが去ると転向する団塊世代に典型的なブルジョワ左翼。学生運動に興じることができたのは、多少なりとも金銭的に余裕のある家庭に育ったからだと、当時の苦学生が、苦々しく語っていたことを思い出します。

 ウィキペディアによれば、学生の季節が過ぎて、商売をはじめたとあり、すかさず搾取する側に廻る、変わり身の早さに内田樹氏の人柄が表れています。

 そして東日本大震災のあと、いまも嘲笑の対象となっている

「米国陰謀論」

 を展開したのは、ストレスにより思想が、学生時代へ初期化されたからでしょう。人の思想も、強いストレスにより初期化されることを、彼らが証明します。

 放射脳ジイサンに共通するのは、それぞれの業界で功成り名を挙げた人たちで、内田樹氏は神戸女学院大学名誉教授。故に自分の人生に誇りを持つのは良いとしても、自省も自制のたがもゆるくなっていることから、発言を振り返る冷静さを失っているのでしょう。惚けているのかもしれませんが。

 ラジオパーソナリティの吉田照美など無惨です。ラジオメディアに番組を持つことから、彼の周囲には自称ジャーナリストや活動家が集まり、スパイラルを形成しています。原発に苦言を呈す程度だったツイッター上での引用や発言が、反政府を目指す極左と化したのはそれが理由です。

 彼は学生時代に特段の政治活動は見つかりませんが、ある意味、彼にこそ深刻な「日教組教育」の影を見つけるのですが、まずは名前を挙げた小林よしのり氏を処理しておきます。

 「おぼっちゃまくん」や「東大一直線」などのギャグ漫画で世にでて、1992年より「ゴーマニズム宣言」シリーズで、漫画による時事論評をはじめ、思想へと拡大し、保守を名乗るようになります。

 小林よしのり氏の御尊父は共産主義者で、自身も大学生の頃に「かじった」とあります。注目すべきは「ゴーマニズム宣言」の始まった年は、細川護煕が日本新党を立ち上げており、いわゆる自民党による一党支配が終焉を迎えつつあった節目だということです。政権交代はその翌年です。

 小林よしのり氏に顕著な特徴は、放射脳はもとより、「安倍政権批判」であり、その言葉の汚さです。カスだのボケだのは許容範囲としても、安倍首相の持病をからかうことに躊躇いがありません。

 左翼は口汚く相手を罵ることを恥じと思いませんが、日本における保守、それが伝統文化を重んじ、日本人として受け継がれた価値観を守ろうとあがくものであるならば、敵にも最低限の敬意を表することを常識とし、美学とするので、口汚く罵り、持病をからかうことなどはしません。この点から、ヘイトスピーチを繰り返すネトウヨと小林よしのり氏に同じ影を見つけます。

 安倍政権が誕生した直後の2012年12月27日の彼のブログにSTAP細胞同様の、初期化の証拠を見つけます。

“これからはまた自民党の一党独裁政治の時代に逆戻りするのだ。”
(ゴー宣道場「二大政党制の終焉」より 改行筆者)

 迷走とはこういうことを言うのだと確認できる興味深い論考で、もうひとつ引用します。

“民主党は、エセ平和主義ではない、だが自民党よりはリベラルな、真正保守の政党になる可能性があったのに、誰もそれに気付かなかったし、今も気付いていない。(同上)”

 リベラルな真正保守って、「口パクの熱唱」や「シナリオのあるガチバトル」と同じ正反対の意味を、論拠もないまま結合した言葉の羅列で、小林よしのり氏が耽溺するAKB48商法に重なるところに自作自演を見つけます。気づいていないでしょうが。

 また、誰も気づかず、いまも気づかないことを、一般的にはこういいます。

「そんなものはない」

 この論考は、安倍批判をしないとマスコミを嘆き、大政翼賛会的になっていると批判するものですが、民主党政権が誕生時に、米国大統領が誕生してから100日は猶予を与える「ハネムーン」をなぞって、失政を見逃し続けたのに対して、ご存知、朝日新聞を筆頭に、就任直後から安倍批判を続けていたことについては、小林よしのりの目には映らないようです。視力にまつわるイヤミを添えようと思いましたが、本当に煩っているようなので控えておきます。

 そして「残るは共産党だけだ」と初期化を告白します。対比における例示で、彼が共産党に入党するという意味ではありませんが、精神的支柱、あるいは郷愁として持ち出したのでしょう。

 ここで、小林よしのり氏に感謝を捧げます。

 彼の発言を追ったことで「放射脳ジイサン」の病巣を発見したからです。これでイグノーベル賞の精神医学賞を取れるかも知れません(嘘です)。

 わたしは特定の考えを否定はしません。拡散は迷惑だと思いながらも、反対意見はこうして述べれば良いのであって、それが認められる日本は良い国だなぁとしみじみ噛みしめます。だから、放射脳がなにを発言しようが自由なのですが、放射脳ジイサンの発言の本質は「放射脳」にないという結論の証明のために、彼らを例示しています。

 放射脳ジイサンの病巣とは、ずばり

「アンチ自民党」

 です。どれだけ言葉を弄して、ベクレルを語ろうが、アンチ自民党という昭和末期の陳腐な政治批判に根を持ち、腐った根からは花が咲かないように、放射脳が拡がりを見せないのは、原子力への正しい警告からではなくアンチ自民党という、床屋政談の延長に過ぎないからです。

 なぜ直接、アンチ自民党へと繋がらず、放射脳に代替されたかの理由は、時計の針を巻き戻せばわかることです。東日本大震災や福島第一原発の事故、その後の対応の遅れに当たっていたのは

「民主党政権」

 です。一党支配を悪とし、二大政党制を未来の希望と信じた人々が見た悪夢です。

 現実を見る目を持つものは、このときパニックになってはいません。村山富市が首相のとき、阪神淡路大震災とオウム真理教地下鉄サリン事件が起きたように、無能な首相のときに大災厄は起きるものだと嘆息しましたが、現実的に打てる対策に注視したものです。

 わたしが日経平均株価に連動する株式を、もてる資産の限度一杯まで購入したのもこのときのこと。死に体だった売国奴 菅直人に協力すると自民党は申し出て、挙国一致で日本再建株価上昇、そして得た株式利益を寄付に廻す目的です。

 が、株価の底が抜けたのは周知の通り。しかし、協力を約束した自民党の足元を見て、責任だけを押しつけようとしたのは国賊、菅直人です。こいつが国会議員でいる間は、ピコリットルでも敬意を表することはしません。

 原発事故でも後手後手にまわり、身内の民主党からもヤメロの声があがっても総理の椅子にしがみつき、お遍路に適した気候の秋になってから、ようやく辞職したペテン師の後を継いだのが、野田ドジョウで、彼が成し遂げたのは被災地復興でも原発処理でもなく消費増税でした。

 政府批判は彼らを信じた自分に返ってきます。アンチ自民とはすなわち民主党政権の支持、容認していたことを意味するからです。そこで「放射脳」に目をつけます。敵を設定し自分を位置づける左翼の特徴でもあり、原子力政策は自民党時代のものだからと、深層心理で理論武装を開始します。

 そもそも放射脳ジイサン達が原発や放射線について「知らなかった」とは無責任の極みです。内田樹と吉田照美が63才で、少し若い小林よしのりが60才。

 第五福竜丸の事故当時の記憶は無くとも、それぞれ20才、17才前後で迎えた1970年の大阪万博では、「万博に原子の灯を」のキャッチフレーズのもとに、原発の敦賀1号機から電気が送られていましたし、その後のスリーマイル島やチェリノブイリ、なにより昭和時代には、被爆者も被爆の記憶も色濃く残っていたのです。

 それを「知らなかった」のひと言で片付けるところに、放射脳ジイサンの人間性が透けて見えるというか、左翼ですから仕方がありません。卑怯という概念を持たないのです、彼らは。

 かくして「他人事」であって原発を、さらに「他人事」にするために、脱原発を叫び、目の前から消し去ろうとしているのです。まるで目の前から消えれば、放射線も消えるかのように主張できるのはこの「他人事感覚」からで日本型左翼の特徴です。

 そこに福音が響き渡ります。「政権再交代」です。ようやく慣れ親しんだホームグラウンドである「アンチ自民党」で批判ができるようになり、初期化は加速し、ブレーキを無くした老人達が極左へ走ります。小林よしのり氏のように、保守の鎧をつけたまま左へ旋回する様は、ドン・キホーテのコスプレのようで滑稽です。

 さらに小林よしのり氏は、特定秘密保護法にも、いわゆる活動家と同じフォーマットでの反対を表明しており、保守から見れば、敵の首魁である朝日新聞に嬉々としてコメントを寄せています。

 震災によるストレスが彼らを「初期化」したのです。そしてその初期化した先に待っていたのは、赤化と同時に、団塊の世代が慣れ親しんだ安心感を覚えるアンチ自民党です。

 日本新党に始まる新党ブームで、非自民政権が現実となりました。それまでは「アンチ自民」の立場に入れば、いっぱしの主張をしていた気分を楽しめていたものが、多極化の時代に突入し、自分の意見を求められるようになります。

 自立というのは孤独な作業で、己の中に確たる価値観を持たなければ、世間の風に迷走します。ところが日本新党はすぐに瓦解し、社会党の党首を担ぐ自民党という、昭和時代にはあり得ない景色となり、不惑を迎えた団塊の世代は、政治的な迷いに放り込まれます。

 多少なりとも情報を得て、自分の頭で考える能力を有していれば、戦後日本の左傾化は異常と気づき、保守化、右傾化するのは自然な流れで、左に振れた針が右に動くのは、ひとまず真ん中を目指しているだけに過ぎません。

 ベストセラーをだすことになる内田樹氏、人気ラジオパーソナリティーである吉田照美氏、ともに「時代」に敏感で、それが思想を飾るアクセサリーになったのでしょう。特に人気漫画家の小林よしのり氏は、時代を先取りする感覚に優れているので、右への触れの速度が速かったのです。

 それが震災というストレスから初期化され、アンチ自民党へと戻ります。

 建国記念日を「非科学的」と唾棄するよう、左傾の人はやたらと科学を持ち出すのは、既に述べたように唯物史観によります。語弊を怖れずに言えば、神も仏も四次元もなく、いまここに存在するものしかないというもので、科学で全てが解明できるというものです。

 これもオカルトです。なぜならSTAP細胞が発見されたように、科学は自然のすべてを解明していないからです。自説により矛盾が生まれる論理構造で、共産主義の瓦解に通じるのもまた、神は細部に宿るです。

 彼らが信じる「科学的」とは、彼らが理解できる範囲内に過ぎず、おおむね彼らが目で見て確認できることまでです。そしてご都合主義で叙情的です。

 例えば核廃棄物の処理について、小泉純一郎のバカは「知恵ものが考える」といいました。わたしにそこまでの知恵はありませんが、科学技術を信奉するなら、

「ボイジャーのように太陽圏の外へ投棄」

 を提案します。宇宙人はいまのところ理論値に過ぎません。

 左翼はこれを無責任と詰ることでしょう。宇宙を汚すなとかね。この提案を心から奨めている訳ではありませんが、広大な宇宙から比較したとき地球上の放射性廃棄物は、微量に過ぎないというのが科学的な立場ではないかということです。

 科学を重視するなら徹底的に、その立場に立てば良いものを、感情を優先するので論理が破綻します。充分に希釈した汚染水の、海洋放出を否定するのも同じです。

 また、ロケットの打ち上げを危惧するかも知れません。ロケットが危ないというのなら、

「軌道エレベーターで運搬」

 するまで待てばいかがでしょうか。

 もっと現実的には、放射線の半減期を科学的に短縮する取り組みも進んでいますし、効率的な放射性物質除去の研究も進められています。ところが放射脳な人々は、こちらの科学発展には目をつぶります。目をつぶって見えないものを、存在しないと騒ぐのも放射脳の特徴です。

 しかし、結論はでました。放射脳ジイサンはアンチ自民。原発政策や科学の話しではなく「床屋政談」と聞き流す程度のネタだったのです。

 それでは若者の放射脳はといっても、こちらも左翼に変わりはありません。放射脳と共産主義の重なりは唯物史観から論理証明ができます。

 放射線は目に見えません。唯物史観において目に見えないものは存在していません。つまり、放射線は放射脳な彼らにとって存在しないも同義です。しかし、原発施設は存在します。だから、目の前から消えて無くなれば良いと考えます。即時脱原発です。

 見えなくなればなくなるのです。

 もちろん、科学的態度ではありません。原発施設を撤去しても、放射性物質は残っています。彼らの目の前から消えただけで、日本のどこかには必ず存在し、その対策も管理費用の目処も立たず、今現在「見えない経費」であり「見えない負担」なのですが、それは「見えない」ので、放射脳にとっては存在しないのと同義。これが、放射脳が即時原発全廃を叫ぶ理由です。

 非常に非科学的な放射脳の正体に、STAP細胞という科学(化学ですかね)の発見から辿り着いたのは、文明の皮肉です。

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“小林よしのりに見つけた放射脳ジイサンの正体” への2件の返信

  1. 放射脳なんていうタイトルにたがわぬ程度の低い記事だな。
    被災者や原発作業員に失礼だと思わないのか。

    1. コメントありがとう。あなたも放射脳のお仲間ですね。論理性がなければ品性も感じられない貴殿のコメントのお陰で記事が補強されました。

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