嫌われ松子の一生

最終回を迎えた『芦田愛菜がいない』・・・もとい日本テレビのドラマ『明日ママがいない』。

後半に向けて盛り上がっているとネットニュースで大騒ぎしていますが、このネットニュースは枝葉末節を針小棒大に取り上げる編集姿勢で、見出しで飛びつけばそれでOKという粗末なもの。

で、感動するかどうかは人それぞれ。実写版の映画「海猿」のなかで、沈む船から長々と無線で会話をするシーンに涙する人もいれば、

「バカバカしい」

と興ざめするわたしのような冷血漢もいます。

ただ、件のドラマについては、設定が粗忽すぎます。ネット用語で言うなら「炎上狙い」。批判されることで注目を集めようという嫌らしい手法で、今回はその度が過ぎたということ。

例えば、昆虫が主人公のアニメ作品で、リアルな昆虫描写をしたら話題にはなっても、拒否反応されるようにです。

今回紹介する『嫌われ松子の一生』は、中谷美紀の主演で映画化されたものです。映画を見ていないので比較はできませんが、随所にご都合主義が目立ち、突っ込みどころが満載ながらも、展開の早さがそれを許さず、一晩とかからず読了しました。

冒頭から松子は死んでおり、その現場が「日ノ出町のアパート」とあり、ルートとして常磐線の北千住駅がでてきて「足立区」確定です。主人公は西荻窪在住と設定されているので、よくある貧困層や犯罪地域としての舞台装置に足立区が使われているのかと警戒します。

学園通り、旭町商店街。実在します。松子が被害にあう公園も。

ただし「あとがき」には、実在と無関係と記したのはアリバイ作り。そして舞台装置として「足立区」のネガティブイメージを利用したことは事実でしょうが、しかし松子を襲った加害者を、別の地域の住民にすることで、言葉尻からの批判を交わしています。

村上春樹も北海道の実在の地名を使用して問題となりましたが、リアルに存在するものを登場させるときの「心遣い」を本作に見つけたのでした。

そもそも『明日ママがいない』は、子供は可哀想な存在だけなく、子供自身もサバイバルしているという視点を導入しているのですが、ならば、児童養護施設の同級生を持つ、馬鹿餓鬼が、どうリアクションするかもわかるはずで、ネーミングや設定に「工夫」がなかったことが批判のおおもとにあります。

■嫌われ松子の一生
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