宮崎駿が身を持って示した老害のメカニズム

 宮崎駿氏が、外国人記者を集めて安倍首相の悪口を言い垂れた記者会見の「非論理性」について触れておきます。宮崎駿氏といえば、アニメ作家として世界的名声を誇りますが、しかしアニメ作家に過ぎません。

 また、ミリタリーマニアながら、左傾斜を隠しもせず、彼の発言に「バイアス」がかかっているのは誰もが知るところで、外国人記者も知っていました。

 宮崎駿氏を「左派」と断定した上で、日本の左派は政治的な力を結成できない理由を記者に問われてこう答えます。

「民主党の最初の総理は、沖縄の基地の問題についても、”日本全体で背負うべきで、沖縄だけに負担させるのは間違いである”、とはっきり言った方です。しかし、たちまち党内の勢力争いで引きずり降ろされた。そして、その後、地震と原発と立て続けに災厄に見舞われて、その混乱の中で、とうとう自民党がずっとやりたくてもやれなかった消費税を民主党が決める羽目になってしまったんです。
http://blogos.com/article/122316/)」

 この発言に論理性を見つけることは出来ない・・・というより、老害を見つけてしまいます。

 民主党の最初の総理とは、ルーピー鳩山です。代替案もなく腹案があると嘘をつき、現在の混乱を招いたいわば「主犯」です。宮崎はまず、これに触れません。加齢による健忘でしょうか。

 鳩山由紀夫のバカが辞任したのは、沖縄問題の迷走を筆頭とする政治の混乱に加え、母から子へ莫大な小遣いを渡していた「リアル 子供手当」から始まった脱税疑惑で、それは鳩山一家由来の問題であり、誰のせいでもありません。

 鳩山のパートナーだった小沢一郎の不正蓄財疑惑は、手続き上の無罪は勝ち取りましたが、私腹を肥やしたとされる原資への説明が、先代からのタンス預金だとする説明を、信じる国民など誰もいません。

 マスメディアらは、米国大統領に対して、同国メディアが就任から半年間は批判を控える「ハネムーン」を模して、民主党政権及び、民主党そのものへの批判を一切停止するという、前代未聞の職務放棄を実行するなか、それは事実上の大政翼賛で、いま安保法案において「いつか来た道」と、朝日新聞、毎日新聞、東京新聞に関連するテレビメディアらが先の戦争中の日本を想起させますが、すでに民主党政権時代に、タイムスリップしている事実に彼ら(バカ左翼)も、多くの国民も気がついていません。

 実は日本の民主主義は重大な危機を迎えていたのです。

 ところが外国人参政権や夫婦別姓など、一斉に閣内テロをはじめた結果、さしものバカ左翼に優しいマスコミも、批判をするしか存在意義を発揮できなくなり、その結果として下落し続けた内閣支持率による辞任とは勢力争いというより自滅であり自爆です。

 なにより宮崎はペテン師を省略しています。菅直人です。バカの次に、すぐに地震と原発と立て続けに災厄と、宮崎は歴史の上書きを試みていますが、菅直人の暴走がなければ、より的確な対策が指示されていれば、福島第一原発の事故は、大惨事にまで発展しなかった可能性も否定しきれていないことに触れません。

 可能性の話しとはいえ、菅直人が混乱を招き、その後の対応が後手後手になったことは、民主党以外の事故調から明らかになっていることです。

 これらに触れない宮崎は卑怯者か健忘症です。さらに菅直人による混乱と消費増税をいっしょくたにします。「やりたくてもやれなかった自民党」とは本当のこと。宮崎の記者会見で唯一といっても良い事実です。しかし、自民党が景気減速を怖れてできなかった消費増税実現を主導したのは、財務省のポチ、野田ドジョウであることは紛れもない事実です。

 三党合意により自民党にも応分の責任がありますが、民主党が被害者のような言い回しは、ひいきの引き倒しを過ぎた「嘘(フィクション)」です。嘘は宮崎自身の作品の中に留めるべきです。

 子や孫にツケを残さない。こんな野田の台詞もありました。これすら宮崎は覚えていないであれば、加齢による記憶障害だとしても、あるいは知名度を濫用した政治活動だとしても、どちらにしても「老害」の一症例です。

 影響力のある人物が、祭り上げられた末の万能感に浸り、本職でないことに口をだします。規模の違いこそあれ、町内会でも中小企業でも、マスコミや政治の世界でも起こっていることです。つまり、影響力の少ない、老人は老害を発生しません。

 彼の「アニメ論」ならば傾聴に値するでしょうし、脱原発やエコロジーについての私見ならば、好みと思想のレベルの話しに過ぎず、ましてや政治については素人以下であることは、先の民主党政権の解説、いや珍説からも明らかです。

 宮崎は娯楽アニメ作家です。ドキュメンタリー映画の巨匠でなければ、政治ジャーナリストではなく、ただひたすらにアニメを描き続けてきた果ての老人です。

 それは現状認識と未来への希望についても遺憾なく発揮されます。

 宮崎は沖縄について問われこう答えます。

「僕は、沖縄は日本と中国が両方仲良くするところになるといいと思います。」

 いま、中国本土では陳情者や農民工など社会的に弱い立場の人々の支援を中心に活動する「人権派弁護士」が100人以上、中国当局により拘束されています。

 株価が下落すれば、当局が名指しで株の買い入れを指示し、株価下落局面の保険にもなる「売り注文」をだしていた人物を、治安を乱したという疑いで捜査に乗り出しています。

 沖縄の近辺までの海域を「自国領」だと突然主張してきたのも中国で、妥協として提示した「中間線」で、両国にまたがり埋蔵されていると見られる天然ガスを採掘しているのも中国で、さらに海上の施設を「軍事施設」に改良しているのも中国です。

 日本と中国が仲良くするのは理想的ですが、主権や国家、安全保障が置き去りにされたお花畑に呆れます。

 彼に与えられた地位と立場が影響力を作り出し、不見識と無知をベースにした偏見を拡散します。

 つまりは「老害」です。

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