電気のないところに民主主義は育たない

 電気のないところに民主主義は育たない、とは作家の曽野綾子さんの言葉。

 電気という文明の利器の有無ではなく、安心して夜が過ごせ、民主主義の参加者が、等しく情報を受け取れる環境でなければ、ひとり一人が正しい判断をくだせないというのです。

 ぐっすりと眠れる環境がなければ、政治に求める第1位は安眠となりますし、賢明な投票行動には各種の情報が必要になるということです。

 バカ者、もとい若者が自発的にあつまったとされる抗議団体「SEALDs(シールズ)」。集まったとされると、奥歯に物が挟まった表現をしているのは、主要メンバーの大半が、島根県にあるキリスト教系全寮制の高校の同窓生で、つまりは同窓会やOB会の類だとされているからです。

 そんな偶然もあるだろうという反論も、一般論としては正常な見解ですが、全校生徒50人となればどうでしょうか。単純計算で1学年16人。その同学年に3人ものSEALDsのメンバーがいれば、偶然で片付けることは困難です。

 さらに2014年1月4日の朝日新聞に掲載されたと見られる、この高校の「平和教育」の内容とは、韓国のそれを鵜呑みにしたもの。いわゆる、自虐史観=反日教育です。

 もちろん、思想信条は個人の自由。そして彼らの意見は、日本国民どころか、若者を代表するものである訳がありません。

 家庭教師のトライの調べでは、この高校の偏差値は28とのこと。甥の高校受験の経験で言えば、都内の公立高校では、かつての「夜学」でも合格判定E未満の、測定不可レベルです。

 一念発起して高校時代の猛勉強の末に、大学生になったと見ることもできますが、一方ではAO入試による潜り込みどころか、キリスト教の推薦枠が有るといった噂も、ネット上では流れていますが、これについては裏がとれていないのであくまで噂です。

 ただし、無知と左翼、そして貧困はとても親しいことは事実。

 まず、無知と左翼を接続するのは暴論でも中傷でもありません。すくなくとも私が見てきた「歴史」からの結論です。

 端的に言えば、日本における左翼とはソ連を筆頭とするマルクス・レーニンの流れを組むものであり、いまどきの大学生なら「現代史」で学ぶであろう、ペレストロイカも登場するソ連の崩壊を知らないから、いまだに日本の左翼に傾倒するのです。

 これらを充分に咀嚼した上で、それでも日本的な左翼を目指すのであれば、無知に加えて無謀です。ま、好き好きですが。

 無知が貧困を招くことは、昨今の格差社会の議論でも確認されています。

 後に撤回しましたが、内臓を売って生活をつなぐシングルマザーの存在を、公衆の面前で拡声器を使って叫んでいたSEALDsのメンバー(個人名は武士の情けで省略)など無知の代表選手でありながら、仮にそこまで追い詰められている女性がいるのなら、それは日本の手厚い福祉制度の利用を知らない、すなわち無知が引き起こした不幸です。

 その貧困に甘言で近づくのが日本共産党、左翼です。

 消費税廃止、福祉の充実、ついでに戦争反対。

 きれいごとを並べるのが仕事のような政党です。現実の政治に関与しないから言えることばかり。ここにかつて政権を担った民主党が接近しているのですから、自民党の1強は、しばらく続くことでしょう。

 現実の政治に向き合わないので、デモや抗議、そして「貧困者に寄り添うヒマ」があるとも言えます。

 ある生活保護受給者の実例です。

 病気により半身不随となりました。貯蓄も身寄りも無い高齢の女性が、生活保護を受給するにあたり、地域のツテを頼ると飛んできたのは共産党の区議でした。

 親身に話を聞くかと思えば、挨拶程度の会話を交わしただけで、「区役所に着いたら電話ください」と名刺を渡して去って行きます。

 後日、女性が区役所に到着し、電話をかけると、役所内にある区議の控え室から玄関まで出迎えに降りてきて、うやうやしく女性の車椅子を押し、人目のあるところでは親切に話しかけてきます。手続きの必要な場所まで送り届け、職員には「困っている人だから、ちゃんと面倒を見てあげて」と告げると、足早に帰って行きました。

 まるで区議の差配で生活保護が決まるかのような振る舞いですが、いまどきそんな話しはありません。

 いや、あればそれは「口利き」であり、法に触れるのですが、無知な貧困者は、このカラクリを知らず、区議に感謝と票を捧げます。

 また、無知が故に労働者として搾取されるとは、いささか「蟹工船」じみた話しですが、いまでもブラック企業のように、そう遠くない事例はあります。しかし、日本では職業選択の自由が認められており、本人の努力次第でステップアップは可能であり、裏返せば「蟹工船」を選んで乗っているのは本人です。

 それを認めず、責任を転嫁したとき、優しい言い訳を与えてくれるのが「労働者を守れ」と掲げている左翼や日本共産党です。

 そして貧困が固定化されていきます。

 悪いのは政府であり政権、すなわち自民党と洗脳。自民党は労働者の敵ではなく、日本共産党の政敵に過ぎないながらも、労働者の敵、貧困・弱者の敵とすり替えられても、無知が故にそれに気づかず、脱原発やTPPと、よく理解していない事柄でも、党が反対というので反対に回ります。

 自民党の支持者が賢いとはいいませんが、日本共産党の支持者と比較すれば、どちらが「マシ」かは一目瞭然です。

 というのもTwitter。

 2年前に選挙関連の執筆にあたり、スタッフに手伝って貰い、国政、地方を問わず、多くの政治家や立候補予定者をフォローしました。

 そして日本共産党系のユーザーを多くフォローする結果となったのもまた、左翼と貧困の関係性を物語ります。インターネットは「貧者のメディア」だからです。

 出版物と比較しても安価で、テレビより速報性に優れ、それらの発信機能をほぼ0円で手にできます。日本で最も早くネットを活用したのは日本共産党です。

 ともかく、そんな訳で「左利き」のユーザーの投稿を目にする機会がとても多いのですが、そこに見つけるのは圧倒的な「思考停止」です。

 理由を辿ると、「多様な情報源」に接していないのです。

 有名どころで言えば、大江健三郎、坂本龍一、瀬戸内寂聴、そして最近では山本太郎にスチャダラパーなど。

 特定の情報にしか触れていなければ、思想は強化され、強化が過ぎれば思想は硬直化し、果てに思考停止へと至ります。洗脳と同じプロセスです。

 思考停止の副産物は排他性です。

 他人の意見をすべて排除します。いまTwitterで「ネトウヨ」といえば左翼の発する侮蔑用語で、キチガイやバカ、差別主義者など、とにかくすべての侮蔑感情が込められているのですが、語彙の少なさにも無知を見つけては苦笑いです。

 反対意見をじっくり聞くことで、反撃材料を見つけようという視点すらありません。

 また、左派が最近、好んで使う「反知性主義」とは、ザックリ言えば、

「世界は神様が作ったんだぜ!」

 を本気で信じる人々を指す言葉です。これを安倍政権支持、安保法制賛成する人々に、「おバカ左翼ども。」は投げかけますが、言葉の意味さえ知らずに、声高に叫べるのは無知のなせる技です。

 無知もひとつの生き方です。個性とも呼べるかも知れません。

 しかし、無知を好んで雇用する経営者はいません。また、無知で渡っていけるほど、社会は甘く有りません。

 だから、貧困が固定化され、固定化された貧困を、政権の責任と転嫁することで、貧困が強化されていきます。

 作家やタレントなど、いわゆる「文化人」を持ち出し、左翼=貧困への異論を唱えることも可能ですが、作家ならそれが「芸風」であり、その他の文化人は「売れて」からの活動が大半です。

 いわば思想により生活をしているか、安全圏から囃し立てているのがセレブ左翼、私が「おバカ左翼ども。」と呼ぶのはおもにこれ。最近ではここに「あの人はいま」や、「ファミリービジネス」しか芸の無い芸能人が積極的に関与。「左翼ブームだ!」と飛びついたのかも知れませんが、時代のトレンドは「中道」に近づいているだけで、むしろ「脱左翼」。忘れ去られるはずです。

 また、地元のある共産系の区議の後援会事務所は、相当の築年数を数える、失礼ながら「ボロアパート」ですが、彼の自宅は3階建ての豪奢な建物。

 元日本共産党幹部の筆坂秀世氏の告発によれば、日本共産党の幹部は厚遇されていると言います。

 搾取しているのは誰で、何が貧困を固定化させているのか。これを教えてくれるのは「多様な情報」。

 ところがTwitterをはじめとするSNSは、自分が望んだ情報しか入らない構造になっています。民主主義を担保するのは、多様な意見。SNSは民主主義を劣化させます。友だちづきあいのために生まれたツールに、政治システムを背負わせるのは酷かも知れませんが。

 電気のないところに民主主義は育たない、という曽野綾子さんの言葉は「育たない」に注目すべきでしょう。

 つまり、民主主義とは自動生成されるものではなく、その参加者たちの努力により育むものだということです。

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