8%アップは誤差のレベルの超頭脳チラシのペテン。日テレは視聴者を舐めるな

 久しぶりに視聴者を馬鹿にした番組を、フジテレビ以外で見ました。昨夜(2016年6月6日)夜9時より、日本テレビで放送された「超頭脳トレード【MC上田晋也…各界の天才は違う業界でも成功するのか?】」です。

 各界天才の才能を別分野にトレードしたら…? という骨子のもと、各界の「天才」が異業種の活性化にチャレンジするという謳い文句ですが、そもそも論で「天才」の名に値しない人物が散見します。当然起こる批判を怖れてか、天才を「超頭脳」と表現するのもあざとい。

 いやなら見なければ良い。といったのは岡村隆史で、それはその通りなので、彼が出演する番組は見なくなりつつありますが、仕事終わりにうっかりひねったチャンネルで、

《検証(4)「経営とグルメ界の超頭脳・ホリエモンと渡部が寿司屋を改装したら?」》

 の結論を見ます。経営の超頭脳とはどうやらホリエモンらしい。確かに超です。まともな経営ができずにはみ出して塀の中へはいった人物。経営者を吹聴しますが、友だちのサイバーエージェント社長 藤田晋氏の全面バックアップを受けた、LINEをまんまパクったトークアプリ「755」も芳しい話しは訊かず、ロケットビジネスは暗礁に打ち上げ失敗がネットニュースで確認される程度。

 アナーキストや反日家の多い出版やテレビで珍重されるのは、キワモノタレントや珍説の流布系作家として、利害が一致するからでしょう。うろ覚えですが、かつてAVをプロデュースとかやってませんでしたっけ。

 ともかく、その結論は「老舗の店舗風」への改装で、さすが先の藤田氏と、他社の広告システムをまるごとパクっただけのことはあります。倫理や同義って言葉を問うのも虚しい人物ながら、ただし、外食業界ではこの手の「パクリ」は日常茶飯事で、有名どころでは「和民 VS 魚民」があります。すると、超頭脳とやらは普通、ということ。

 さらに店舗改装から2週間、店主によれば売り上げに影響はないなか、来店客数は1.7倍に増えたとのこと。原価率を下げていなければ、1.7倍忙しくなっただけ。元の客数が少ないので、これでも大成功という見方も間違いであるのは、売り上げに影響せずに約2杯になった客数とは、そもそも統計上の誤差と、改装したことによる期待感の効果の可能性が高く、「老舗の店舗風」の効果があるかは疑問です。

 というより、その数少ないお客へのインタビューで「入りやすくなった」とあるのは、老舗の店舗風との説明とズレが生じるのではないでしょうか。まぁ、寿司職人に修行は不要と言い切ったホリエモンのアドバイスを信じるような寿司屋がいたとして、それに従いどんな目にあおうとも自業自得な気もしますが、バラエティとはいえ無責任すぎるでしょう。

 つづけて脳科学者の中野信子。敬称略は彼女を「タレント」の枠にいれているから。各種番組でコメンテーターを務めていますが、コメントはトンチンカン系。お茶の間の怒りだけを買った、仕事をバックれの浪速のエリカ様の釈明会見を「逃げきった」と高い評価を下す当たりに、研究と臨床の違いを見つけたものです。

 そのタレントさんの「超頭脳」を借りるのが「チラシ」。脳科学(これ、エセ科学。こんな学問ありません)で「生鮮スーパーゼンエー」を繁盛店にしようという目論見ながら、元のチラシが非道いレベル。名にも考えていない素人の作品。店があると知らせる効果しかないチラシ。

 街の印刷屋親父が手直ししても、もっとまともなチラシができることでしょう。「奇数を安く感じる」として、改善後とやらのチラシは「77円」や「99円」にします。しかし、実際のチラシを見るまでもなく「78円」や「98円」が多いことは、誰でも感覚的に知っていることでしょう。

 この「8」を喜ぶのは日本だけ、と言う説もあり、99円とはわずかながらも値下げしたと喜ぶ外国人に対して、日本人は「あざとい」とみる傾向があるのです。また、永らく続いた商習慣から、末尾の8に安心感を覚えるというのもあります。

 消費増税の度に末尾をどうするかで頭を抱えていた、小売店の現場の結論です。だから、税込み、税別は問わずとも、いまだに末尾8円が継続しています。

 奇数を安く感じるという脳科学とやらは、どこの国のデータか開示しなければ、科学的検証に耐えられませんし、地域性が色濃い商習慣の違い、脳の仕組みではなく経験に左右されます。これも脳の仕組みで説明するなら、それは「差別」へと繋がる危険な視点です。

 その他もウサン臭い。チラシにおける「大特価」に効果が無い、とは一面に過ぎません。常日頃から、本当に大特価を大特価と表記していれば、効果があるもの。チラシは媒体であり、「継続性」という視点も不可欠なのです。

 さらに「アンダードッグ効果」なる専門用語をだし、それは「仕入れに失敗した」とか「売れなければ奥さんに殴られる」とかいった「言い訳」を用意しろというものですが、言い訳をすれば必ず売れるということはありません。むしろ「売れ残り」として警戒されることもあります。

 番組では仕入れを間違えた生協が、正直に告知したら売り切れたと、肝心な部分を省略したVTRを作っていましたが、生協とは大学の生協で、連帯意識の強い学生が、SNSを使って拡散し、面白がりも含めて完売に繋がったのであり、言い訳だけで売れたのではありません。ちなみにこれは「大学」という地域性の勝利でもあります。

 そしてこの「アンダードッグ効果」とやらを期待するのは、期待を込めて仕入れたモノの売れなかった、珍しい系の豆腐。それまではただ、チラシに商品を乗せただけ。珍しい系には説明が必要なのは、お客は基本的に保守的だから。身銭を切るのです。訳の分からない食べ物など買いたくありません。

 つまり、脳科学以前に、不親切なチラシだったということです。

 果たして脳科学により生まれ変わったチラシはどうなったか。これも微妙。駐車場の大きなスーパーマーケットで、チラシの目玉にすいた珍しい系の豆腐24個が完売するのは夕方。約8時間とすれば、1時間当たり3個。私が販促担当なら失敗の烙印を押すレベル。

 驚いたのが「金、土曜日」のチラシだということ。そして脳科学のチラシによる成果を、前週と比較すると108%のアップ。微妙・・・というのは、近隣の小中学校のイベントでも左右される数字で、チラシの勝利とはいえません。まして8%のアップなら、現地取材として訪れていた、若槻千夏の集客効果だったあったことでしょうし。また、同じく日テレ「ヒルナンデス」にも登場したこともあるようで、メディアにたよる小売店は、売り上げ(集客)のバラツキが激しいのです。

 とにかく呆れるしかない、視聴者を馬鹿にした番組。調べてみると、この「生鮮スーパーゼンエー」。比較的近所の草加市にあり、Facebookでチラシをすべて公開しています。ほぼ毎週チラシを打っており、直近で抜けているのが5月20日の分で、日テレが非公開を要請したのか、ここが「中野信子超頭脳チラシ」だとすれば、その後のチラシは「中野信子流」になるはず。なっていません。これが結論です。

 いい加減、テレビは「脳科学」とか「ホリエモン」らを頼ることを止めないと、いよいよもって信用を失います。なぜかと言えば、ネットにより「検証」が可能になっているから。その場限りの、限りなく「ウソ」に近い情報が、視聴者の信用を損ねることは韓流ブームをゴリ押しし、いまもって止めないフジテレビの凋落ぶりが証明していることです。

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