月刊正論 2017年1月号「トランプに敗れたリベラル」

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 今月もオススメは『ネットバスターズ』。

 いや、手前味噌ではなく、トランプ現象におけるマスコミの問題、課題の全貌を、たった4ページで大づかみ出来ます。

 さらにエレガントな理解を求めるなら、江崎道朗先生の《意外に正しいトランプの「暴論」》へすすんでください。週刊新潮の山口真由氏の原稿で見つけた「ポリティカル・コレクトネス」について覚えた既視感は「ホワイト・ギルト」だったと確認しました。

 雑な記憶力がこうした単語を脇に追いやり、平易な言葉で展開するのが持ち味ながら、気品に欠ける理由をみつけ軽く落ち込みつつ読み進めます。

 オバマ批判というのが、今回のアメリカ大統領選挙で欠けていた視点。日本も同じく、現在の指導者と対比して行われるはずの政権選択選挙ながら、オバマ批判が欠けていたから「なぜ? トランプ」となったということに気がつきます。

 ページをめくるとケント・ギルバード氏とロバート・D・エルドリッチ氏(元在沖縄米軍海兵隊外交政策部次長。反基地活動家の違法行為動画を『流出』させたとして解任される)による対談。

ケント氏:ヒラリー氏を支持のデモ行進では「ピー(放送禁止用語)」を連発していた。自分たちの政治主張以外は絶対許さないという意味で、リベラルは全体主義者(要約)

ロバート氏:(ヒラリーが)国務長官だった頃は、嫌な4年間だった(意訳)

 共和党支持者というか、反ヒラリーのアメリカ人の本音を見ます。

 沖縄県高江の「土人」について差別との認識は、いささか残念ながら、やはり現地からの報告が貴重な八重山日報編集長 中新城誠氏の現地リポート。

 拙論でも触れた「土人」について詳細に報告。私の書きたかったことがすべて書かれています。

 なお、当人が差別と思うならすべて差別、論に汲みしません。これを際限なく認めれば、すべての言論を容易に封殺できてしまうからです。

 中新城誠氏の思想と感受性、言論の自由は認めますが、土人は土着の民。現地人の意味で、さらに大阪府警、すなわち大阪府民であるならば、最先端の侮蔑用語にキャッチアップするのが彼らのスタンダードで、差別意識と言うより最新トレンドとして用いた、それも反基地活動家へ向けた侮蔑、悪口でしょう。

 で、ここで拙論「ネットバスターズ」において紙幅の関係で「カット」された箇所を、成仏企画として墓場より引用して大阪府警の機動隊員を断罪しておきます。

《機動隊員の発言を擁護するものではない。そもそも論で、公務員たる機動隊員による、公務中の不規則発言が論外なのである。市役所の戸籍係の職員が、婚姻届を提出しにきた市民に対して「人生の墓場へようこそ」と私見を披瀝することが許されないことからも明らかだ。》

 なお、どんな角度からも「笑わせよう」というスピリットは、最新侮蔑語にキャッチアップするのと比肩する、大阪人のスピリットではないでしょうか。私は大阪府生まれ、つまりは大阪土人、いまは足立区土民です。

 朴槿恵大統領の騒動における、当事者と言える産経新聞前ソウル支局長 加藤達也氏の《だから言ったでしょ朴槿恵さん》が決定版。

 日弁連の「死刑廃止宣言」に異議を唱える存続派 高橋正人弁護士のインタビューは、廃止論を一刀両断にします。

 死刑廃止派が論拠とする「廃止が世界の潮流だ」という主張に、

《何を馬鹿なことを言っているのでしょうか。EUは凶悪犯罪者を裁判にもかけず、現場で射殺しているではないですか》

 とバッサリ。それを評論家 小浜逸郎氏が引き取り、ネチネチと、もとい理路整然と廃止の主張を個別に完全撃破します。

 さらに『海賊と呼ばれた男』の映画と連動しているのか、百田尚樹氏の寄稿《働いて何が悪い》もワークホリックな私にとっては頷くことばかり。

 今月号の「正論」。「雑誌」です。

 いや、「雑誌」なのですが、大半の寄稿が数ページで、その分、中身つまっているというか、テンポが良いというか、週刊誌のような軽快さが実に良い。

 じっくり読む「正論」も良いですが、どこを開いてもサクッと読めて、それぞれの筆者のフィールドで暴れまくる感じ。必読です。なかでも宮脇睦大・・・コホン。

月刊正論 2017年1月号「トランプに敗れたリベラル」
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