この書は、二つの点視点から読むと興味深い。一つは、1990年代のデジタル通信革命はどのようにして始まり展開したか、
というITCビジネスストーリーの視点。二つは、革命児鈴木幸一のIIJ経営者ストーリーの視点。
ビジネスストーリーとしては、コンセプショナルIPOに始まり資金繰りに行き詰まり破綻するCWCとそれに由来するIIJの
信用不安をどう乗り越えたか、その間の経緯は、ビジネススクールのケーススタディに格好の素材だろう。
電話通信を独占するNTTの対抗軸をつくらなければならない、独自のインタネット通信インフラを持たなければならない、
というビジョンはCWCを実現させたが、その膨大な初期投資額が彼のビジョンを破滅させてしまいかねない事態を招いた。
それにめげず、IIJを立ち直らせ1千億ビジネスにしたのは何か?
宿敵NTTの当時の相談役の宮津純一郎さんから「独りで安酒とたばこをやってたらだめだ」と呼び出され、次のように言われた、
と述懐するくだりがある。鈴木という経営者ストーリーのハイライトだ。
「おめえのさ、あの事業は正しいと思うけどさ、インフラ事業を貧乏人がやっちゃいけないんだよ。金がかかるしリターンも遠い。
まあ貧乏人にしては、よくやったけどさ。」

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日本インターネット書紀 この国のインターネットは、解体寸前のビルに間借りした小さな会社からはじまった 単行本(ソフトカバー) – 2015/3/13
鈴木 幸一
(著)
インターネットは21世紀の産業のエンジンである。だが、日本に「IT産業」はない。「IT利用産業」があるだけだ――この国の壁、そして通信の巨人に挑んだ経営者の壮大な夢と危機感。インテル、グーグル、Amazon……インターネットには、これからどのような可能性が秘められているのか? 日本発の技術で、世界を変えるために必要なこととは?
- 本の長さ476ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2015/3/13
- 寸法12.5 x 2.9 x 19.2 cm
- ISBN-104062189445
- ISBN-13978-4062189446
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商品の説明
著者について
鈴木 幸一
株式会社インターネットイニシアティブ 代表取締役会長。昭和21年9月3日神奈川県生まれ。 早稲田大学文学部卒、昭和47年、日本能率協会入社。同協会に於いて、インダストリアル・エンジニアリング、新規事業開発などを担当。昭和57年退社。退社後、(株)日本アプライドリサーチ研究所 取締役就任。ベンチャー企業の育成指導、産業、経済の調査・研究、地域開発のコンサルテーション等を行う。平成4年12月(株)インターネットイニシアティブ企画を創立、取締役に就任。平成6年4月(株)インターネットイニシアティブ(IIJ) 代表取締役社長に就任。以来、日本における商用インターネットサービスの先駆者として、20年にわたり新しい通信インフラ市場を切り拓く。平成25年6月、代表取締役会長兼CEOに就任。引き続きIIJグループの事業全体を統括するとともに技術開発分野を主管し、新たな技術基盤やサービス開発の指揮をとる。著書に、『日々酔狂 -インターネット創業10年未だ交戦中』 (小学館刊)『言葉の水割り -酒と煙草と、ぼくの思いはインターネット』 (講談社刊)『鈴木幸一の文明漂論』 (日本経済新聞出版社刊)
株式会社インターネットイニシアティブ 代表取締役会長。昭和21年9月3日神奈川県生まれ。 早稲田大学文学部卒、昭和47年、日本能率協会入社。同協会に於いて、インダストリアル・エンジニアリング、新規事業開発などを担当。昭和57年退社。退社後、(株)日本アプライドリサーチ研究所 取締役就任。ベンチャー企業の育成指導、産業、経済の調査・研究、地域開発のコンサルテーション等を行う。平成4年12月(株)インターネットイニシアティブ企画を創立、取締役に就任。平成6年4月(株)インターネットイニシアティブ(IIJ) 代表取締役社長に就任。以来、日本における商用インターネットサービスの先駆者として、20年にわたり新しい通信インフラ市場を切り拓く。平成25年6月、代表取締役会長兼CEOに就任。引き続きIIJグループの事業全体を統括するとともに技術開発分野を主管し、新たな技術基盤やサービス開発の指揮をとる。著書に、『日々酔狂 -インターネット創業10年未だ交戦中』 (小学館刊)『言葉の水割り -酒と煙草と、ぼくの思いはインターネット』 (講談社刊)『鈴木幸一の文明漂論』 (日本経済新聞出版社刊)
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2015/3/13)
- 発売日 : 2015/3/13
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 476ページ
- ISBN-10 : 4062189445
- ISBN-13 : 978-4062189446
- 寸法 : 12.5 x 2.9 x 19.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 441,349位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2015年4月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2015年3月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現代経営者の著書で久方ぶりに心打たれ、改めてエネルギーを頂いた。 著者は日本でインターネットの世紀を切り拓いたインターネットイニシアティブの創業者で現在会長を務める。 帯には「この国の壁、そして通信の巨人に挑んだ経営者の壮大な夢と危機感」とある。 この国の壁とは、1990年代初頭の郵政省の通信行政の壁。 通信の巨人とは今のNTT。 そして危機感とは、インターネットの持つ本質の意味を未だ日本の為政者が良く理解しておらず、国防のありかたまで変わる恐ろしさであり、それを認識していないと警鐘を鳴らす。 行政の壁という側面では、宅急便サービスを開始したヤマト運輸の社長小倉昌男の「経営学」が心に残る。 今後本書は、それに並び行政の壁に立ち向かった経営者の足跡を記したものとしてビジネス書の歴史に残るだろう。 ドッグイヤーと言われるとてつもなく技術や事業環境の変化の速いインターネットや情報機器の世界での起業家を描いた本としては、アマゾンを描いたThe everything store、ザッポスを描いたDelivering Happiness, そしてアップルのSteve Jobs などがある。 しかし、どれもアメリカの話。 本書は日本のインターネットを切り拓き育てた鈴木幸一が、その半生を掛けた戦いを語っており痛快でもある。 本書は文章の切れ味良く、一気に最終ページに読み進む。 今、現役で頑張っている方々には、色々な場面を自身に重ね合わせることで、言いようもないエネルギーを得られるはずだ。 ビジネスパーソン必読書だ。
2015年5月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本にインターネットサービスを提供した、IIJ鈴木会長の回顧伝ともいえる
読むうちに歴史が蘇り、その時代を懐かしむことができた
1990年初頭からの、インターネット動向を回想し時代を思い出させる本でした
今後のIIJにも期待!!
読むうちに歴史が蘇り、その時代を懐かしむことができた
1990年初頭からの、インターネット動向を回想し時代を思い出させる本でした
今後のIIJにも期待!!
2015年9月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
知人に勧められて購入しました。会社を作っただけでは、経営者ではありません。継続しながら経営者になって行くのです。
2015年4月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
IIJが成長していく中での苦労話の臨場感がとても面白いです。
インターネットの世界を引っ張っていくという志がすばらしい!
インターネットの世界を引っ張っていくという志がすばらしい!
2015年4月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今では当たり前に使えるインターネット。その事業を日本で立ち上げるためにこれ程の苦労があったとは・・・。新規事業に取り組むベンチャー経営者には役に立ちます。
2016年1月11日に日本でレビュー済み
インターネット日本書紀。専門家でもある著者の本だけに、かなり手ごわい感もあったが、この領域に不案内な自分にも、一気に読み進められる魅力満載の本だった。
それは著者の文才によるところも大きいのだが、我が国のインターネット導入時、即ち創生時期の苦心、困難さが、そのインターネットという言葉自体から感じるスマートさとのギャップに面白さを感じられたためでもある。
ぜひ手にしてもらいたい本です!
それは著者の文才によるところも大きいのだが、我が国のインターネット導入時、即ち創生時期の苦心、困難さが、そのインターネットという言葉自体から感じるスマートさとのギャップに面白さを感じられたためでもある。
ぜひ手にしてもらいたい本です!
2015年3月19日に日本でレビュー済み
本書は経営書というよりも鈴木幸一という
日本発の商用インターネット事業創始者として
日本のインターネット黎明期から現在まで
最前線で闘ってきた1人の男が目にしてきた
情報通信市場のヒストリーである。
無関心、規制、出資、出資会社であるCWC倒産、
出資者からのバッシング、IIJ存続と成長という壁に
孤軍奮闘し、全てを賭けた経営者の物語である。
著者の背景にはインターネットを支える技術の
知的所有権をオープンにする(パブリックドメイン)
というインターネット思想家としての哲学がある。
そのため、出資者であるNTTに対しても、
NGNがIPであるにもかかわらず電話に要求される
あらゆる監視を可能とする閉域網であることに対し、
徹底批判をする。
またクラウド利用がアメリカの2〜3%に留まるなど、
日本の保守体質に警鐘をならす。
そしてインターネットの将来について
インテリジェンスはクラウドに宿る。
端末が持っていたインテリジェンスは、
クラウドの向こう側に外部化され、
通信インフラも端末も、単なる土管になる、
と予見する。
この本を開くとまず
IIJ歴史の幕開けとなった解体寸前のビルの写真に引き込まれ、
400ページ超ですが一気に読まされる。
同時代を生きた方にはどこか懐かしく、
また若い方には、
自分の手で世界を変える野心のバトンをわたされるかもしれません。
賞味期限の短い業界です。是非お早目に。
日本発の商用インターネット事業創始者として
日本のインターネット黎明期から現在まで
最前線で闘ってきた1人の男が目にしてきた
情報通信市場のヒストリーである。
無関心、規制、出資、出資会社であるCWC倒産、
出資者からのバッシング、IIJ存続と成長という壁に
孤軍奮闘し、全てを賭けた経営者の物語である。
著者の背景にはインターネットを支える技術の
知的所有権をオープンにする(パブリックドメイン)
というインターネット思想家としての哲学がある。
そのため、出資者であるNTTに対しても、
NGNがIPであるにもかかわらず電話に要求される
あらゆる監視を可能とする閉域網であることに対し、
徹底批判をする。
またクラウド利用がアメリカの2〜3%に留まるなど、
日本の保守体質に警鐘をならす。
そしてインターネットの将来について
インテリジェンスはクラウドに宿る。
端末が持っていたインテリジェンスは、
クラウドの向こう側に外部化され、
通信インフラも端末も、単なる土管になる、
と予見する。
この本を開くとまず
IIJ歴史の幕開けとなった解体寸前のビルの写真に引き込まれ、
400ページ超ですが一気に読まされる。
同時代を生きた方にはどこか懐かしく、
また若い方には、
自分の手で世界を変える野心のバトンをわたされるかもしれません。
賞味期限の短い業界です。是非お早目に。