インターネットは道具です。そしてこの道具はその価値と使い方を正しく利用すると今までの常識を覆す結果をもたらします。
2007年09月21日発行号
目次♪
1:新着情報
2:伸びる会社は知っている!→第2東京タワーを推進するみんな
閑話休題:心を1gだけ軽くする一言。良いも悪いも同じ〜
3:実践テクニック編!〜文章力という宝(4)〜
4:プロが教えない話外伝!〜担当者が営業を知らない〜
それでは始まりです!!!
■メガネ情報誌「Private eyes 9月号」にインタビュー記事が
掲載されました。
http://www.p-eyes.com/
■Web担心得其の参十九
「ヒルズ族にWeb 2.0企業群もタイミング? ホームページが失敗する理由2」
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2007/09/19/1922
ワンセグ機能付き携帯の出荷が1千万台を突破したと報じられました。
ただ実状としての普及率には懐疑的です。
事務所のパソコンもワンセグチューナーをつけているのですが、映りが悪く昭和の頃の「室内アンテナ」のようにチャンネルにより角度を変えなければなりません。
また、携帯でメールやゲームをしているシーンは町中で見かけますが、テレビを見ているところには出会いません。
大風呂敷を広げた地上波デジタル放送への議論を高めようとするプロパガンダではないかと見ております。
「第2東京タワーなんかいらない」という議論が生まれる前に既定路線にしたいという思惑です。
地方ではデジタルアンテナの費用負担、山間部への配信負担から「ネット回線」を使うことも検討されています。
だとすれば、回線インフラの整備されている都市部ではもっと容易に実現でき、数百億円規模の電波塔を建てる意義があるのかという当たり前の疑問が噴出するからです。
ワンセグは普及している。
ワンセグは地上派デジタル放送。
だから第2東京タワーと。
再来週(10/3)公開予定の「ウェブ担当者フォーラム」に寄稿した記事は「みんなの意見」を題材にしています。
詳しくは記事を読んで欲しいのですが、ワンセグ機器が1千万台突破したと報じると、ついそれだけの人数が持っているかのように錯覚しますが、短期間で機種変更する人や、新しい物好きが数台の携帯を持っていることを考えれば、1千万人が持っているわけではありません。
発表は利用者数ではなく「出荷数」です。
早ければ来年の春にも「1円販売」ができなくなる携帯業界にとっては、「ワンセグ」という買い換え需要というカードは魅力的ですし、第2東京タワー建設予定地を持つ東武鉄道に、利用者のテレビ局に所轄官庁である総務省のお役人様にとって影響力と天下り先を確保できると「関係者のみんな」が躍起になっています。
さも「みんな」が望んでいるかのように語られ、代換え手段もあるということは検討されずに実現へと動きます。
地元商店街を除いて第2東京タワーを推進する「みんな」は、すべて既得権益村の住民です。
携帯電話という通信事業者に、鉄道も放送もお上の許可が必要で、そのお上まで参加しています。
作ればみんな得する人達ばかりなのです。
そしてこれは普通の会社でも同じ事が起こります。
利益該当者が既得権益を得ている場合です。
人は変化を嫌います。
まして現在、十分な恩恵を得ていれば損することはしたくありません。
詳しくは次回に譲りますが、伸びない会社に共通する「みんなの意見という害悪」を紹介します。
来週封切られるエディット・ピアフの生涯を描いた映画に登場する歌詞で「良いことも悪いことも、私の人生に起こったみんな同じこと」から紹介しました。
フランス映画特有の難解さはありますが、この一節は作品を仕上げ、人生とは善悪二元論のように単純なものでなく、そしてかかる全ての出来事を愛しなさいなとメッセージが。
字面だけでは「達観」か「諦め」のようですが生々しい「生への渇望」です。
希望にも絶望にもなるのですが、「書いたこと全てが伝わるわけがない」のです。
執筆の際に心に留めております。
もちろん、できるだけ伝わるように腐心はしますが、受け取る感性は十人十色です。
何処かで開き直りも必要となります。
もっとも「愚策」といえるのが、社内閲覧の末に決定される文章です。
読んだ10人がそれなりに納得する文章は、牙がもがれ香りがとんだ取扱説明書です。
社内と仕事を貰う取引先は納得するでしょうが、客の心は動かせません。
このシリーズの2回目で冒頭に「愛している。
好きだ」としたのはちょっとした仕掛けで、なんじゃらほいと読者の目を引くためのものです。
例えばこれを「社内閲覧」したとしてOKがでるでしょうか。
人によっては愛しているという言葉を口にするだけで恥ずかしさを覚え、または白々しさを感じるとなるでしょう。
愛の言葉はたった一人の誰かのために紡ぐものです。
技術を換金するのが私達のビジネスモデルです。
ホームページを作っているだけで食べていけるほど甘い世界ではありません。
しかし、世間の誤解は激しく、いまだにホリエモン氏風の濡れ手に粟や、コンピュータオタクの世界だと誤解している人がいます。
ネット界の著名人のように「その世界だけで食べている人」は特殊な例で、日頃の地道な営業活動から売上を立てているので営業について知っている人が増えてきました。
他業界の営業を知っている人は、そのノウハウを導入しますし、うっかり独立してしまい生き残っている人は死にものぐるいで「営業力」を身につけたものです。
そこで顕在化しているのが、「企業ウェブ担当者」が営業を知らないことです。
さらに付け加えると「ウェブトレンド」も知りません。
いきおい、大企業のウェブや自分が趣味でみるサイトを志向します。
やれやれ。 詳しくは次号に。