インターネットは道具です。そしてこの道具はその価値と使い方を正しく利用すると今までの常識を覆す結果をもたらします。
2008年10月17日発行号
目次♪
1:新着情報
2:伸びる会社は知っている!→チャーシュー麺しかないラーメン屋
閑話休題:心を1gだけ軽くする一言。われ以外は皆わが師なり〜
3:実践テクニック編!〜文章力という宝(34)〜
4:プロが教えない話外伝!〜ニセモノを知ることも重要〜
それでは始まりです!!!
■JEITA 知識情報処理技術に関するシンポジウム
「先端Web技術は企業を変えるか」
http://home.jeita.or.jp/is/seminar/081023sympo/index.html
インプレスビジネスメディア ウェブ担当者フォーラム<最新号>
■心得其の93
「緊急寄稿! 不景気とは空前絶後のチャンスタイム」
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2008/10/15/4200
■ムトウマーケティングサポート「通販支援ブログ」連載<最新号>
【第13回】
なぜこの店で買ってしまうのか・・・の『見える』化 アクセス解析
http://blog.mutow-ms.jp/ec/howto/post-373.html
■速報!
今日の仕事が順調に終わればこちらの懇親会に参加するかも?
http://www.wais-japan.com/08event.html#party
地球温暖化、Web2.0、一番絞りなどが成功例。
後期高齢者、あらたにす、E電は失敗例。
ネーミングです。
地球温暖化については科学的根拠に乏しく、都市化によるヒートアイランド現象が認められている地域では観測気温が上昇するのは当たり前ですが、地球規模で見ると「都市」の面積の方が圧倒的に少なく、さらには陸上より海の方が広いことを考えれば「観測地点」の精査は重要です。
ところが一度「地球温暖化」と文字が流通すると、自分たちが住む都市部の気温上昇から推測して「間違いない」と思いこんでしまいます。
マーケティングの視点から見るとWeb2.0と同じく、大成功といえるバズワードです。
一方の「後期高齢者」はもともと医療関係者の間では流通していた言葉のようですが、これがマスコミによりどんな「揚げ足取り」をされるかを想像すれば他の呼び方がベターだったことでしょう。
先日、とある飲み会で「マツブン刺繍」の松本さんに「名付けのセンスが良い」とお褒め頂きました。私が手がけるサイトに使うコピーを評してのことです。
商売ですからと謙遜してみせるのは日本人の作法でそれに準じます。
ただし、内心では大いに喜んでおりました。
私は「言葉」にこだわっております。
それは物書きとなる以前からで、言葉の力を知っており、特に「ネーミング」は重要だと経験したことによります。
最後の会社員時代、広告制作を行う新規事業を立ち上げました。
広告代理店と看板を掲げる会社でしたが「取次」の歴史しか持たず、企画から制作業務を取り仕切ることから発生する「粗利」に注目が集まりました。
取次の手数料ビジネスは市場が成熟すると薄利となるのに対して、企画から考えることで付加価値を生み出す制作は利幅があるのです。
営業会議では様々な狸の皮の売価が飛び交います。
しかし、言うのは簡単ですが、実際の広告企画を考え制作までの工程を仕切るのは私一人です。
そこでこう切り出しました。
「うちはチャーシュー麺しかないラーメン屋」。
広告企画は無限にありますが、すべてに対応するのは戦力を分散する愚策ですし、何より私一人しかできないという実状を考えれば取捨選択が必須です。
そこである商品に絞り込み展開する営業戦略の説明に「チャーシュー麺」しかメニューにないラーメン屋を用意しました。
机上の空論から踏み出し、実現するためには、スタッフの同意は不可欠です。
イメージを共有することもか欠かせません。
しかし、誰もランチェスター等を知らない状況で理屈を並べても伝わらないのです。
そこで「チャーシュー麺」です。
この体験が「言葉」の力を確信させてくれました。
名付けは商品名だけではなく、共通理解や認識、目標でも使えます。
と、いうよりは不可欠です。
吉川英治の言葉だそうですが、私はアメリカ人のアーサー・ビナードさんの本で知りました。アメリカ人に日本の言葉を教えていただく。看板に偽りナシです。
この言葉は知りませんでしたが、私の周囲には師匠が溢れかえっております。
クライアントは私にとってその業界の師匠ですし、義父は21世紀の八百屋の最新トレンドと高度経済成長期の日本の体験者として含蓄含有量の少ない話しを伝授してくれます。
私の定義する「文章上のウソ」とは二つです。
比喩と事実を伝えるための省略です。
比喩とは相手に伝えるために別の物事を持ち出して説明することで、広告商品を絞り込んで営業する戦略を「チャーシュー麺しかないラーメン屋」とするようなものです。
最後の勤務先でラーメンは販売しておらず、チャーシューも煮ていませんから、言葉だけを追えばウソと断じられることでしょう。
しかし、一般常識と照らして「あり得ない」ようなウソならば、説明のための比喩だと理解するのが真っ当な大人です。
と、ここまで書いてなんですがちょっと脱線します。
とこがブログの隆盛以降、この「一般常識」が瓦解しているのが今のネット界です。
言葉尻を捉え、文脈を見ずに気に入らない単語を発見すると匿名の影から銃を撃ちます。あ、銃は比喩です。
女性の脳力を評価した内容でも「地図が読めない」という文言に差別と牙をむきます。もちろん、牙も比喩です。
って、ネットだけではなくマスコミもそうですね。
これは比喩でなく。
メルマガって読んでいますか? もともとFAXで配信していたのですが、圧倒的にメルマガ版の読者が多くなり、この問いかけはなんだかなぁといった感じですがどうでしょう。
申し込んだものの読んでいないメルマガも多く、とりあえず申し込み配信されるも、後回しにしてしまい、気がつくとたまっている経験は私もあります。
しかし、登録したメルマガはできるだけ読む方が良い理由はこうです。
「読み続けることで本物と偽物が区別できる」からです。
情報起業家のビジネスモデルの善悪は論じませんが、彼らの中の真贋は週刊で一ヶ月も継続して読み続けるとわかります。
IT屋さんも同じです。
税理士などの資格商売など丸裸同然です。
同じ話しの繰り返しになるか、同じ結論に帰結するのです。
哲学も経験も、さらには文章力もないのですぐに行き詰まります。
そして私は考えます。
「ニセモノを知ることも重要」だと。
すると本物に触れたときに熟読するようになりますから。