インターネットは道具です。そしてこの道具はその価値と使い方を正しく利用すると今までの常識を覆す結果をもたらします。
2010年12月10日発行号
目次♪
1:新着情報
2:伸びる会社は知っている!→アンチ本は売れない
閑話休題:心を1gだけ軽くする一言。彼も人なり吾も人なり〜
3:実践テクニック編!〜情報収集術(40)ご近所編<3>〜
4:プロが教えない話外伝!〜電子書籍は万能ではない〜
それでは始まりです!!!
宮脇睦の連載記事
■Web担当者Forum 心得其の194
「HTML5リフォームにご用心。bタグ上等! 原理原則とリアル」
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2010/12/08/9327
■マイコミジャーナル
俺に聞くなという官邸主導。岡田中将が涙する「リーダーシップ0.2」
http://journal.mycom.co.jp/column/itshacho/091/index.html
■通販支援ブログ
【第23回】「売れる理由より売れない理由を突き止めよ」
http://blog.scroll360.jp/ec/keiei/post-536.html
今回はネット書籍の選び方について。
拙著「楽天市場がなくなる日」が売れています。
と、いっても書籍の在庫は出版社の倉庫にもなく、ネット通販のアマゾンのマーケットプレイス(中古販売)に出品される端から売れているのです。
時にはプレミアムのついた定価以上でも売れています。
購入動機は様々でしょうが、類書がないことが最大の理由です。
楽天を礼賛する書籍は掃いて捨てるほどありますが、冷静にその構造を批判してるものはないのです。
ここが出版界の抱えるジレンマであり、消費者真理の面白さです。
書籍は商品です。
売れなければ意味がありません。
読者は読後に満足を求めます。
つらい現実より妄想的な未来を好み、ビジネス書なら「成功」を夢見ます。
端的に述べれば、自腹を切ってまでつらい現実を見たくないということです。
出版社に務める人の多くが「本好き」で、良書を手がけたいと思っています。
しかし、商品が売れなければ生活ができず、好きな本より売れる本を選択することを責めることはできません。
そして礼賛本が多くなります。
需要と供給の関係です。
今年のはじめにとある出版社からお声を書けていただき書籍の企画を出しました。
「客を捨てる」と「ツイッターはやるな」の2本で、前者は「この不況に捨てられる客もいるから」で後者は「アンチ本は売れない」と前掲の「現実」が理由で、どちらも不採用。
そこでポジティブ情報だけの書籍企画も考えたのですが・・・嘘だな・・・と悟り、お断りしました。ちなみに週刊ポストはその後の話しです。
そして今回の結論。
ネット関係は「アンチ」を探すと良いでしょう。
買う買わないは別として「多様な言論」から考えれば「礼賛」しかないほうが不自然な話しで、見つからなければ、そこに「大人の事情」という「裏」があります。
他人にできることなら自分にもできるという意味で使われているこの言葉ですが、最近別の意味として使うことが増えています。
特にインターネットの世界での誹謗中傷です。
言論の自由が保障されているので、何を発言してもよいのですが誹謗中傷される対象も人間です。
そこでこの言葉を。
あなたが人間であるなら、あなたが罵倒した相手も人間。
あいての存在を否定することはあなた自身の否定です。
生まれ育った街に住んでいても地元のことを知らない人は少なくありません。
「地主一族」に生まれていれば、情報通にもなりますが、新規移住者については知らないことも多いのです。ましてやそれが「勤務先」となるともっとです。
ご近所を散歩する際に「表札」を意識してみると良いでしょう。
オフィス街なら「ビル名」です。
「同じ名字」が多ければ、その一族の地主です。
お洒落なビルでも名字を織り込んだビル名は多く、特に地主系は「名前」にこだわりが強くしっかりと織り込みます。
以前住んでいたマンションは、地主の名字の「子音」のアルファベットに「ハイツ」を連結したものでした。
地主が分かれば、同名の「地方議会議員」を探します。
探し方は次回に譲りますが、見つかれば「地域コミュニティ」が活きている可能性が高い地域であろうと推測できます。
電子書籍元年も間もなく終わろうかとしていますが、はたして電子書籍は普及するか。
という問いに私は「YES」と答えます。
それにより出版業界が変わるか? と訊ねられれば「No」と首を振ります。
普及する理由は礼賛派の唱えるような、オセロゲームのように紙が電子に置き換わるということではなく、出版の現場ではすでに「DTP」により電子化されており「電子版」の発行は追加コスト無しでできるからで、取り組まないと答える方がナンセンスです。
そしてこれが「No」の理由でもあります。
つまり、いままでと同じ仕組みのままで業界が変わるわけがないのです。
そして、電子書籍は万能ではなく「端末」は宿命的に落下とほこりに弱く、水没は致命的です。
生活防水がついたとしても、「故障」は避けがたく、タフな「紙」の需要はなくなりません。