#飾り罫
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レジに並ぶ不愉快さを改善するだけでどれだけ「利益」を産み出すかに気づかせてくれ、
いかにお店がお客さんを大切に考えていなかったかを気づかせてくれた書。
●どんな方に? 小売店などの対面販売や接客をする人なら一度は目を通した方がよい。 ●どんな内容? この本を手にしたら最初から読まない方が良いでしょう。 冒頭は著者のパコさんの自慢のような、説明のような。 それは、ショッピングの科学とは行動心理学とか小難しい、頭がパニックを起こすような内容かと勘違いするからです。 ズバリこの本は、66頁目の買い物かごについての考察から読むと、すっと本の内容に馴染んでいけます。 冒頭の下りはハッキリいってどうでも良いことですから。 しかし、内容は濃い!です。 それは日米の違いは若干あるにしても客が買うその現場を追いかけることを基本にしているので、客の視点、客の流れが事細かに実例とともに描かれているのです。 最近不振だから・・・。 やっぱり先生にでも相談して・・・。 と、中小企業診断士の肩書きだけで先生と呼ばれ、トイレの役にも役立たないようなレポートを提出されて●十万円の請求書が届く前に読む本です。 とかく肩書きで商売されている方は、自分が肩書きで守られているだけに実戦に弱いことが多く、また、現場を知らない場合がほとんどです。 そして彼らのだす提案や戦略の殆どが正攻法です。 建前論だけで商売が成功するのなら、世界企業ランキングはMBAの卒業成績順になっているはずです。 本書は徹底した現場観察主義というよりも、店内ストーカーを世界中に飛ばして「客がどう動くか?」「客はどう感じるか?」に的を絞っています。 もっとせっかちな方はこの本の、69頁目最後 「あの男、カゴを使えばいいのに」と太字の部分から読んでも大丈夫。 この章には「人の手は2本しかない」ということを教えてくれ、荷物をかかえている人はもう買い物が難しいがちょっとの工夫でもっと買うということを教えてくれています。 そしてこの本の後半には全ての小売店に共通する三大要素が書かれています。 ページにして249。 要約すると小売業の三大要素とは ●店舗 ●品揃え ●従業員 当たり前じゃんといわれるかも知れませんが、この3要素を力学的視点、つまりバランスをシンプルな言葉で説いているのです。 「この三大要素のうちの一つを強めると、他の二つにかかるプレッシャーが軽くなるのである。逆に、一つを弱めると他の二つに余計な負荷がかかる(原文引用)」 これ経験したことありません? 素晴らしい店舗外観や内装のお店では、多少品揃えや従業員の質が悪くても「何となく良い」イメージを受けますよね。 でも逆にあまりにもみすぼらしいお店では、普通の商品ではちょっと満足できません。 食べ物屋ならより顕著に表れます。 私のときどき行く居酒屋さんですが、料理全般、特別美味しくありませんし、店も清潔ではありますが、お世辞にもキレイとは言えません。 しかし、そこのオヤジさんの誠実で明るい接客が、ちょっとぐらいウマイ店なんかでは勝てないぐらいの満足を与えてくれるのです。 なるほど・・・。 「なぜこの店で買ってしまうのか−ショッピングの科学−」 が知識から体験に変わる瞬間を、その居酒屋でちょっと焦げたやきとり食べて味わいました。 |
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このページは有限会社アズモード 代表 宮脇睦(みやわきあつし)が厳選した情報を吟味し提供しております。 | ||||||||||||
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