#飾り罫
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客はいつも「感情」で動くという真実。そして「顧客満足」では不十分という現実。
「苦情という名の贈り物」の著者が描く「顧客ロイヤリティ」の高め方。
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●どんな方に?
□もう、一歩レベルの高い顧客サービスをしたいあなた。
□従業員教育にいくづまった経営者、及び管理職。
□客の気持ちを論理的に理解したい人。
□新しいネタを顧客に話したいコンサルタント。
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●どんな内容?
人は「感情」で動くと言うことを基本に、強い組織づくり、お客様に愛される企業の作り方を具体例とともに紹介しています。
目次より
序章:顧客の経験に感情価値を与える
第1部:感情価値を生み出す組織を創る
第2部:「感情コンピタンス」を選択する
第3部:「共感」によって顧客の経験を豊かにする
第4部:苦情を感情価値を加えるチャンスにする
第5部:感情価値で顧客ロイヤリティを向上する
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●書評
まず、驚かされるのが「序章」の段階から一つずつ「顧客感情」を簡潔な言葉で紐解いていくのです。
コンサルタント本や自己啓発本の中には「顧客感情」だけをもったいぶってこねくり回して、最後は当たり前のことに触れて終わるのに比べて本書は「顧客感情」の概念と発生の瞬間までを、「感情価値→経験経済→真実の瞬間」と順を追いつつたった4頁で説明しています。
「顧客感情」の意味だけを知りたい方は「序章」だけで良いでしょう。
しかし、それでは余りにももったいない。
営業職、またはその管理職、サービス業に携わる方は有給をとってでも全部読むべきです。
「優秀な方」にとっては「当たり前」のことが、筋道立てて具体例とともに描かれており、「漠然」と理解していた「顧客サービス」に一本の芯が通ることでしょう。
「客なんて・・・」と思われている方にはあまり役に立ちませんので絶対に読まないでください。時間の無駄です。
それでは「優秀な方」にお話しします。
私が感動した概念は、感情を「資産」や「お金」と同様の扱いをしていることです。
「顧客感情」と一概に言ってもイマイチ掴みにくいモノですが、これを「資産」や「お金」に置き換えると、とても分かりやすくなるのです。
それは、クレームや後ろ向きな感情を「借金(負の資産)」、賞賛や前向きな感情を「貯金(資産)」と考え、お客様、一人一人には「感情口座」があると仮定します。
お客様の口座には「満足」を感じれば「貯金」され、「不満」を感じれば「出金」されるのです。
このお客様の「感情口座」は赤字になっても出金できます。
これはつまり「借金」ということです。
当然、「借金」続きのお店に行く奇特な客はいません。
お客様は「貯金」の多い店に訪れるのです。
またこの「感情」という「貨幣」は、単純な「貨幣」よりもダイナミックな変化と人間味をもっております。
まぁ当たり前ですよね。人の「気持」ですから。
本書のレストランオーナーが顧客満足の調査で「ひどい、まぁまぁ、良い、とても良い」の中から選んで貰うエピソードを紹介します。
=本文より=
「もしもお客様が『まぁまぁ』とおっしゃれば、私どもにとっては『ひどい』を意味したことになります。お客様にはお詫びの手紙と無料のお食事券が届けられ、そしてフォローの電話をすることになります。」
このレストランオーナーはお金を払ってお食事をした方にとって「まぁまぁ」は不十分だと考えているのです。
そして、不十分な「まぁまぁ」により「感情口座」から一時的「出金」されますが、その後の「お詫びの手紙」「お食事券」「電話フォロー」によって「出金」以上の「入金」を得ることができることを充分に理解しているのです。
スバラシイと思いませんか?
「まぁまぁでは不十分」。
そして本書の後半に向け「苦情はチャンス」として上手な苦情とのつき合い方に触れ、最後に「ロイヤリティ」で締めくくります。
価格は2,600円と少しお高めですし、、「誰でもできる!」や「スグに!」といった効果は残念ながらありません。
そもそもそういった本は「素人」向けにできています。
本書は「プロ」「セミプロ」・・・「プロ志望」の方にだけオススメできるバイブルです。
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このページは有限会社アズモード 代表 宮脇睦(みやわきあつし)が厳選した情報を吟味し提供しております。
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