2:伸びる会社は知っている!〜「新しいから良いんでしょ?」という昭和のベクトル〜
先週の地震で我が足立区はすっかり全国に名前を轟かせてしまいました。でも、メディアが大騒ぎするほど足立区内で被害がなかったので、「報道」をみて驚いている足立区民も少なくありません。
中には江戸川区の立体駐車場からクルマが落ちたのも足立区と勘違いしている人もおりました。
私は揺れた「瞬間」、マック(パソコン)で原稿書きをしていたのですが、左手が無意識のうちに
「コマンド+S(保存のショートカット)」
を打っておりました。
大災害になっていれば、保存した文書もクソもないんですが、条件反射というのは恐ろしいモノです。
「地震だ!」と叫んだと同時に、脳の中心にいるもう一人の自分が
「保存、保存」
と呟いて左手の親指と人差し指に命令を送っていましたから。
大地震が来ると言われて久しい首都圏ですが、都庁では「いざ」という時のために都庁から徒歩30分圏内に、当番制で職員を配置しています。
今回この当番に当たっていた34人中、21人が「バックレ」て大騒動になっているのですが、緊急召集の連絡に「ポケベル」が使われております。
「イマドキポケベル」と揶揄する「知識人」も「報道機関」も少なくありませんが、これは見当違いも甚だしく、ビルも突き抜ける「鉄の着信」を誇る「ポケベル」と、ちょっと前まで電車などでは「電源を切る」ことを要求され、地下鉄では着信できず、災害時には通信規制されるケータイとの比較ですから、いざというときどちらが確実かを考えれば言わずもがなです。
最新技術というのは不安定なモノですから、確実性を求めるのなら技術的に安定したモノを選択するのは当然の事なのです。
・・・とはいえ、バックレちゃったら意味ありませんが。
さて、このポケベルかケータイかという議論は先週の「素人話」にも共通するモノがあります。素人さんの多くは新製品や新機種、新バージョンを偏重する傾向にあります。
これは「新しいから良いんでしょ?」という昭和のベクトルなのですが、HPやITといった「最先端」に詳しい素人さんは特に新しい物好きなのでこの傾向が強まります。
だから新しいモノを使いたがったり奨めたりするのです。
しかし、繰り返しますが最先端技術は不安定です。
また、最先端は主流が移ったときに役立たずになることが少なくありません。役立たずにはなっていませんが、ワープロソフトの一太郎の凋落とワードの席巻がこの例のひとつですし、ドリームウェバーとホームページビルダーの関係も近いモノがあります。
モチロン、新しいモノ全てが悪いわけではないのですが、トレンドは移り変わるということです。
その時最新でも、暫くすると誰も使わないトレンドは多いモノです。
ここの見極めが本職と素人の違いといっても過言でないでしょう。
先日ワードを使ってみて一太郎の良さを確信しましたが、良い物が売れるとは限らないんですよね。
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