1:伸びる会社は知っている!〜一足飛びに目的を達成しようと技術に固執する〜
本日は午後から母校である都立足立西高校で「働くこと」についてお話をしてきます。これはOBやPTAが在校生に「働くこと」をテーマに自身の経験などを語り、在校生達の進路を考える材料にして貰おうという企画で、昨年から始まったものです。
今年の私の担当クラスは1年4組。・・・平成生まれです。
昨年も参加したのですが「団塊の世代」について触れたとき、
「あ〜おばあちゃんがそんなこと言ってた」
と言われたときには軽いめまいを感じたものです。
ちなみに本日、土曜日は「お休み」の日ですから、学校関係者はしっかり月曜日は代休になると聞いています。
私達は交通費程度の謝礼。
銭金ではなく私達OBやPTAは自らの時間を割いて協力しているのですから、学校側も・・・というと色々問題があるのでしょうね。
さて、話しは2週前の「悪い試行錯誤」に戻します。
これはNo.27号の「お客さんを創造する」とも絡んでくるのですが、悪い試行錯誤を繰り返す理由は「誰に売るか」を決めていないからです。
試行錯誤には良い物と悪いものとがあります。
良い試行錯誤とは、一見遠回りに見えても着実に目的に近づく取り組み姿勢自体のことで技術を指すものではありません。良い試行錯誤を「戦略思考」と呼び変えても良いでしょう。
一方、悪い試行錯誤というのは一足飛びに目的を達成しようと技術に固執するものです。
例えば、ライブドア社が本当に「放送と通信の融合」が目的ならば、ニッポン放送にTOBを仕掛け正門から挨拶するか、フジテレビの親友ともいえる「電通」の方に仕掛けて勝手口から入れば良かったのです。
ところが、ライブドア社は一足飛びに結論を求めたため金融技術を駆使しました。
結果はおざなりな検討委員会と莫大な現金が残っただけです。
仮に、こんなことを繰り返したとしても放送業界の反発は必至ですから、「放送と通信の融合」なんて永遠にできないことでしょう。
もっとも、「放送と通信の融合」は後付の言い訳で
「金で金を生む」
ことが経営の柱ですから・・・だとすると、ライブドア社にとっては良い試行錯誤といえますがね。
「悪い試行錯誤」と「良い試行錯誤」の例として携帯回線会社のドコモとauが象徴的です。
一時期、圧倒的なシェアを誇っていたドコモが、auの猛追に脅かされるなんて数年前には考えられないことでした。
来年以降導入が予定されている「ポータビリティ制度」がスタートすると一気に大逆転される予想もでるほどです。
この流れはauは誰にどう売るかを定めて行った良い試行錯誤の結果と言えるでしょう。
<つづく>
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