2:伸びる会社は知っている!〜お金を払うお客さんを相手にしていない〜
今週の水曜日、話題の「ライブドア臨時株主総会」に行ってきました。
実際、何万株を持っていた人からすると、どうにかしてお金を取り返したいと思う気持ちも分かりますが、株主として質問した人の半分以上が殆ど同じコトをいいます。
それは「元に戻せ」と。
株価だけの問題じゃなく、堀江被告が「世界一の会社にする」と言っていた頃にというニュアンスです。
中には堀江氏逮捕は「国策捜査」だと言いたげな人もいました。
そして取り巻きが悪かったとも。
もちろん、その面は否定できませんが、とはいえ村上さん逮捕で帳簿操作の他にも、「ヒルズの仲間で裏で手を組んで金儲けしよう」としていたことが明らかになってきています。
いわば金持ち同士のズルです。
市場原理主義の旗手のようなことを言っていたのに裏では市場外での不公平な取引をしていたのです。にも関わらず、堀江さんを信じている株主がもの凄く多いのに驚きました。
とはいえ取り巻きが悪かったというのは的を射てます。
すぐにゲロして、保釈後週刊誌でペラペラ喋ってますからね。
ま、金の切れ目がなんとやらの「生きた教科書」なんでしょう。
しかし、これだけ各種報道で「実態」が明らかになってきているのに、どうしてまだ「信じる」ことができる人が多いのでしょうか。
実はこれ「低価格信望論者」と同じ構造なのです。
それは自分の都合の良い情報しか「受信」しないからです。
ライブドアに限っていえば悪い情報は「マスコミが操作している」と考え、自動的に排除します。一方、堀江氏の過去の発言から、「彼が復帰すれば」と幻想を温め続けます。
さて、この光景はどう見えるでしょうか? 一方、低価格信望論者は「価格は安くなければならない」と信じて疑いません。
値上げしても大丈夫だよといっても「それはお店や業種によって違う。とにかくウチは無理」と頑なです。
その理由を尋ねると「値上げをするとお客さんが離れていく」といいます。
だから、できるだけ安くしないとと付け加えます。
これは実話を基にした話しですが、自分に都合の良い情報だけを受信している結果の発言で、そんな情報が足を引っ張っていることがあります。
「それでは」と訊ねました。
「儲からないのはお金を払うお客さんを相手にしていないからではないですか?」と。
居酒屋の話しですが、明らかに不満そうなご主人を前に続けました。
「店を出た後、スナックやはしご酒をしていません? それなのにこの店では安いものしか注文しないのでは?」ご主人の顔色が変わりました。
「・・・行っている。確かに」
ハッキリ言うと客には儲けさせてくれるお客さんと、そうでないお客さんがいます。
儲からないお店は「そうでないお客さんの声」を聞き答えているのです。
値上げして離れていくのは「そうでないお客さん」です。
他のお店では金を使う。
いよいよ低価格信望論の確信に迫ります。
続きます。
実は人間の性分に関わる問題なのです。
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